天気予報通りに朝からジリジリと細かな雨の降る6月6日、新緑に佇む長沼とキヌガサソウに逢いに、「長沼 新緑トレッキング」を開催しました。
いつもはエゾハルゼミの声が賑やかすぎるくらいに聞こえるのですが、代わりに雨がブナの葉を打つ音だけが聞こえる中でのスタートとなりました。

しっとりと濡れた柔らかな緑に包まれたブナ林に入ると、ウエアを着てはいるものの雨はそれほど気にならず、逆に雨音が心地好く感じられます。

敷き詰められた落ち葉の上に見つけたツキノワグマのフン。

どんなものを食べているのかホジホジして見ると、植物の繊維がビッシリ。
ブナの芽鱗が混じっているので、地表近くの柔らかな草木の新芽を食べていると推測されます。
ブナの芽鱗は、新芽を食べる時に一緒に口に入ったのでしょう。

雨に潤う林床にユキザサやツクバネソウなどの花を見つける度に撮影会が始まります。
お天気の良い日に見るのも綺麗ですが、しっとりと濡れた花も風情があります。

何を撮っているの?

ブナの雄花と雌花でした。
冬に雪が多かった為か、あちらこちらに折れた枝が落ちていて、普段は間近に見る事が出来ないブナの花を見る事が出来ました。
折れた枝は最後の力を振り絞って子孫を残そうとしますが、枝の中に残された水分を使い切ると枯れてしまいます。
受粉が終わって雌花序が膨らみ始めていますが、雄花序を落とす力は残っていなかったのでしょう。雌花序も実になる事は無く枯れていきます。
何だか悲しくなりますが、お陰でじっくりと観察する事が出来ました。

コバイケイソウが花を咲かせようとしています。
大谷地に到着です。

雨は止みましたが、頭の直ぐ上を雲が流れていきます。

またまた撮影会の始まり。

ショウジョウバカマにヤマドリゼンマイ。

ミツバオウレンにコヨウラクツツジは蓄えた雫がキラキラ。

ミズバショウがどんどん姿を現してきています。
やっぱり、足を止めて見入ってしまいますね。

そしてお待ちかねのキヌガサソウ。

美しく気品さえ感じられるその姿を目にし、「わーっ!」「きれーい!」と声が上がり笑顔がこぼれます。

そして、どこかしら優しさを感じるサンカヨウ。
雨の中でスタートしたイベントですが、そのお陰で少し花弁が透けている様子が見られました。
雨の山行も悪くないですね。

山が雨をも楽しむ私たちを歓迎してくれているのでしょうか、長沼に到着すると日が差して明るくなってきました。

雨に洗われて美しく見える新緑の中で、風にさざ波立つ水面を眺めながら昼食です。

昼食の後は、大沼周辺では花期の終わったタムシバやムラサキヤシオ等の花々を楽しみながら、長沼の奥にあるキヌガサソウの群生地を目指します。

何を見つけたの?

黄色が鮮やかなエゾノリュウキンカが目の前に広がります。
笑顔になるはずだ…

そしてキヌガサソウ。
もう、笑顔が溢れて仕方ありません。
沢山のキヌガサソウの中から、お気に入りの一つを見つけて撮影する様子に、案内したこちらも笑顔にならざるを得ません。
花はみんな同じでしょ?なんて思う人もいるかもしれませんが、一つ一つ表情が違うんですよ。

新緑の中、キヌガサソウと記念撮影をして長沼を後にしました。

最後にこの日一番の透け具合を見せてくれたサンカヨウ。
あえてのサンカヨウ締めでした。

生憎の雨から始まったイベントでしたが、参加して頂いた皆さんには十分に楽しんで頂けたのではないかと思います。
木々の葉の色合いや森の雰囲気、雫を纏った花々、しっとりと濡れた花々、雨の日だからこそ感じ取れるものがいっぱいの素敵な一日でした。

     くどう