霧に覆われる日も多く、週末に天候が崩れたりと変わりやすい山の天気を見せるここ最近の大沼。この日の朝も雲が多かったものの、だんだんと明るい日が差してきました。日々色づいていく大沼の様子をご紹介していきます。

【開花情報】

咲き始めアズキナシ、イソツツジ、ウワミズザクラ、コバイケイソウ、ツマトリソウ、タテヤマリンドウ、ハクサンチドリ
見頃オオバスノキ 、タニウツギ、ナナカマド、ミネカエデ、レンゲツツジ、イワカガミ、ズダヤクシユ、タチツボスミレ、ミツガシワ
終 盤オオカメノキ、コヨウラクツツジ、マイヅルソウ

天気のいい日は大沼で「ミョーキン、ミョーキン、ケケケケケ…」と耳に残る声が響きます。声の主はエゾハルゼミで、鳴いているのはすべてオスです。周っている際に、地上付近にいたメスを偶然見つけました。鳴かないのも特徴の一つで、オスとメスの外見の違いはお腹を見るとはっきりします。

上はオスの写真。翅とお尻の位置を見比べると、オスの方がお腹が長いです。ここは出した声を響かせるための「共鳴室」と呼ばれる空洞部分。他のセミもこのおかげで大きい音を出すことができます。

木道のスロープを下っていくと、ウワミズザクラの花が見られます。サクラの仲間ですが、一般的に思い描くようなサクラの花はしていません。枝の先端にまとまって花が付く総状花序という咲き方をします。

こちらはウワミズザクラの葉。葉は他のサクラと似た形ですが、葉脈が凹んで周りが浮き出て見えます。学生の頃にこの種を、「腹筋バキバキザクラ」と教わり今でも覚えています。これを見ている方も葉を見ればウワミズザクラが見分けられるようになる…かも?

キャンプ場へ分岐する木道の交差点で、アズキナシが見られます。葉脈が等間隔にまっすぐ伸びる様子から別名「ハカリノメ」とも呼ばれています。

キャンプ場へ向かう木道ではイワカガミに混じって小さな小さな青い花が。天気のいい日にしか見られないこちらはタテヤマリンドウ。

地表近くにあるので花弁の裏側を見る機会がありませんが、遠くに蕾の状態のものを見つけました。青白い花弁に黒いラインが入ってとてもオシャレです。

対岸へ向かい木道沿いを探します。この前はなかったツマトリソウが見られました。花弁が6、7枚で差があり、おしべの数が対応しているそうです。この写真のものはおしべも花弁も6ですね。

大沼では花に集まる様子をよく見るウスチャジョウカイ。カミキリムシにも似ていますがホタルの親戚くらいの種類です。響きから茶臼岳の「チャウス」を連想しますが、あくまで薄茶色のジョウカイボンの仲間なのでチャウスジョウカイではなくウスチャジョウカイです。

コバイケイソウも予想以上に花を咲かせ、遠くからでも白い絨毯のように見えるようになってきました。日に日に草木の背が高くなり、湿原は緑に覆われています。地表の小さな花や昆虫たちと目線の高さを合わせて楽しめる今の時期を楽しんでみてはいかがでしょうか。

      さいとう