雨上がりの朝を迎えた6月18日(日)、秋田焼山の山肌を染めるイワカガミ群を目指して「イワカガミに逢いに行く 毛せん峠~秋田焼山トレッキング」を開催しました。

強い日射しを遮る新緑のブナ林の中は吹き抜ける風が心地好く、コケの中に隠れて休むヤマナメクジなどの生き物たちや、木漏れ日に揺れるオオカメノキなどの花々を見ながら歩きます。
標高を上げるに連れて遡る季節と、少し早めに訪れた初夏の雰囲気を味わいながらゆっくりと。

ブナ林を抜け、目の前に広がる眺望を眺めながら一休み。
手前に咲くムラサキヤシオも今が見頃です。

徐々に姿が目立ち始めたオオシラビソは雄花が咲き始め、風に吹かれて花粉を飛散させていました。
ひんやりと、僅かに残る雪の上を進めば、間もなく毛せん峠。

見頃を迎えつつあるイソツツジとその中に咲くイワカガミやミネズオウが、日差しを浴びて眩しく輝きます。

遠くの山並みは見えませんでしたが、雄大な景色を眺めながら休憩。
これから向かう焼山方面も灌木類の新緑が目立つようになりました。

毛せん峠から焼山へ向かう皆さんを。
青空と風が気持ち良い稜線歩きです。

ハイマツも雄花が目立ち始め、枯れた古い葉の色合いも意外と綺麗。
ゴゼンタチバナには蟻が、イワカガミにはクジャクチョウが。
お天気が良くなると、活発に活動する昆虫たちも見られる季節になりました。

火山性ガスの影響で通行止めになっている湯ノ沢上部はダケカンバの新緑が美しい時期。

避難小屋を過ぎ、鬼ヶ城への急坂をゆっくりと。
早くイワカガミの群落に逢いたいという、逸る気持ちを気持ちを抑えるのには丁度良いのかもしれません。
鬼ヶ城で待っていたのは鬼ではなく、可愛らしいコケモモと、岩の隙間に根を下ろして力強く生きるイワヒゲの花でした。

火口湖の湯沼を目の前に足を止め、その荒々しい景観を暫し堪能。

そして、お待ちかねのイワカガミ群。

その美しい様子に圧倒されつつも、やっと出会えた群生を見て写真を撮られずにいられなくなる方々。

少し歩いては足を止め、その美しさに歓喜の声とため息。
名残峠までスマホを片手に持ちっぱなしです。

仕方ないですよね。
こんな光景が続くんだもの。

漸く辿り着いた名残峠で一休み。
眺望を満喫して帰路に着きました。

今回のイベントは、お天気にも恵まれて目的だったイワカガミ群も目一杯堪能する事が出来たと思います。
荒涼とした山肌をピンクに染め上げ、日差しの中でもひんやりと感じる風を受けて揺れるイワカガミたち…
あの光景は、何度見ても心を奪われてしまいます。
逢えて良かった。また逢いに来るね。
と、参加者の誰しもが思ったに違いありません。
頑張った人だけが見られる特別な景色です。

     くどう