淡い新緑に光るブナ林歩き。「長沼」ではこの時期見頃のキヌガサソウがお出迎え。遅い春の訪れをたっぷり体感しよう!と期待に胸を弾ませて・・・

長丁場になるので、いつもの準備体操。ごわごわの体を伸ばしたら、あちらこちらに異変のあった方から「お~」とか「うっ」とかの声が出ています。

駐車場の方も掛け声につられて体操をしている和やかでのどかな出発前の風景です。

ここらでちょっと一休み、「いっぷくの森」で休憩中。

どなたもあまり気にかけない、これは”ツクバネソウ”です。基本的に葉は4枚なのですが、時々5枚葉のツクバネソウを見かけます。でも、この花はいつ咲くのか疑問に思っていました。で、勇気を出して皆さんにも聞いてみたところ、やはり皆さんも見たことがないとのことでした。このつかみで、以後皆さんは5枚葉のツクバネを探しはじめ、5枚葉のそれをついに確認することが出来ました。

ツクバネソウの花を観察してみると、開花したてのこの花には花びらがありません?オシベの周りについているのはガクだと思うし。

イベント終了後に調べてみると、ツクバネソウの花には花びらがないのだそうです。これを皆さんに”エヘン!”とお伝えしたかった・・・

本日の本命はアレ(キヌガサソウ)とアレ(サンカヨウ)なのですが、道々の花々についつい呼び止められてしまう、引っかけられやすい皆さん。ここではツバメオモトに呼ばれてしまったようです。花を見る表情は自然と良い顔になります。

「大谷地」ではイワカガミのお出迎え。「もう咲いているのね!」と皆さん。

「大谷地湿原」の白いワタスゲのホワホワ(果穂)の向こうにレンゲツツジのオレンジ。

「大谷地」の歩道の脇でいきなり、”キヌガサソウ”に出会いました。葉が5枚、6枚、7枚とそれぞれ、「あっ!3枚もある」・・・「それは”エンレイソウ”」。この場所のキヌガサソウは花をつけていませんが、期せずして葉っぱの観察になりました。

こちら側は雪解けが遅いので、まだ花はあまりありません。湿原の奥側ワタスゲは初夏の装い、こちら側はまだ早春の風情。

そして・・・ようやくお目当ての”キヌガサソウ”に会うことが出来ました。この笑顔はどうです。

そして2番目のアレにも会うことが出来ました。”サンカヨウ”です。”透けたヤツ”が好きなのとか、なんとか言う方もおられましたが、今日も昨日も晴天で残念ながらそれは別の機会にということになります。

歩いても、歩いても。「今日が最高なんじゃない!」と参加者の方。おっしゃる通りだと思います。

そして、今度はまた何かを見つけました。

”オクエゾサイシン”の突然変異だと思うのですが、今年もここで会えました。

長沼に到着。予定を少しオーバーしたのでこのまま昼食を摂ることにしました。

静寂の長沼で静かな昼食。

でもないようで、何かを見つけたようですが、よくわかりません。疲れを知らない皆さんです。

そして午後の部は大本命の”キヌガサソウ”です。

ありました、ありました。いゃ~褒める褒める。この顔・顔・顔、拍手付きです。「あんまり褒めれば赤いキヌガサになるって」とスタッフ氏。

ここまでの行程はちょっと大変でしたが、今年もたくさんのキヌガサソウに逢うことが出来ました。

ふ~とため息をつきながら、眺めています。どうして笑顔になるんでしょうね、その訳を聞いてみたい気がします。それぞれのこの花にまつわる想いがあるのかもしれません。豪華なという表現?凛として、圧倒的な存在感、どれも月並みな表現ですね。でもほかにどんな形容ができるのでしょう。でも、「ここで黙って見るからいいのさ」と皆さん言ってくれそうな気がします。

おや、キヌガサは葉が6枚にならなければ花は咲かないとどこかで聞いたことがあるのですが、この花は葉が5枚で咲いています。つられて咲いた?間違いか?

いつまでも眺めていたいのですが、後続のグループが見えて来たので進まない訳にはいきません。名残惜しく、いかにも名残惜しく。振り返りながら帰路につきます。

参加者の中には毎年来ておられる方が何人もいます。今年も良かったから、来年も来なければならないと静かに思ったに違いありません。私たちの行程はゆっくりで、お昼過ぎの到着がよかったと思います。途中団体さんと交差するなど、静かなはずの長沼は大勢の人たちが訪れていました。

   あべ