5月1日、青空を大きな雲が流れ日が差したり陰ったりする中、6日に開催予定の「大沼野鳥観察会」の下見を行いました。
少しのんびりな冬鳥と、繁殖のためにやって来た夏鳥たちの両方を見られる時期。
木々が芽吹く前のブナ林は見通しが良く、野鳥観察には最適な季節です。
風がありますが、どんな鳥たちに逢えるのか楽しみです。

今シーズンは大沼周辺も雪解けが早く残雪の林内を歩くのはルート取りが大変そうですが、風に乗って聞こえて来る声の主たちに逢いに出発です。

雪解けの湿原にはミズバショウやエゾノリュウキンカが花を咲かせ、植物たちが次から次へと顔を出し始めています。

少しずつ冬芽が膨らみ始めたブナの枝にシジュウカラ。
カメラを向けて、少し近づくとその分離れて中々距離を縮めさせてくれません。

コゲラはハウチワカエデの木に留まってツンツン採餌中。

トントントンとオオアカゲラ。
ブナ林の中で息を潜めているとあちらこちらに鳥の気配がします。

シメの生る木。
越冬のために本州に渡って来た彼らは、もうすぐ繁殖のために北海道へ帰って行きますが、春の訪れが遅く冬の訪れの早い冷涼な気候の八幡平で繁殖する者もいます。

開けた土地に面した林縁にモズの姿を見つけました。
尾羽をクルックルッと回すように振りながら、高い場所から縄張りの監視中です。

残雪の上に散乱したヤナギの花芽。
先程のシメたちか、それとも沢山鳴いていたアトリたちの仕業か?

湿原の畔、ダケカンバの上ではしゃぐヒガラたち。
ちょっかいを出したり出されたり、枝から枝へと飛び回ったりと賑やかです。

残雪の上を渡って湿原の縁に立ち並ぶオオシラビソたちの間を抜けて川へと出ると、どこまでも通るような高い声で囀るミソサザイに逢えました。
全長11㎝ほどの小さな体なのに、綺麗で高く大きな声が出る事に感心しながらも暫し鳴き声を鑑賞。
が、カメラを構えていると幾ら待っても囀ってくれない意地悪さん…

そんな、こちらの様子を見ているシジュウカラ。
枝をピョンピョンと渡り歩くように移動して、なかなかジッとしていてくれないのに、ずーっと見られていました。
監視されているのかなあ?

沼へ出ると波立つ水面にカルガモの姿。

再び林内に入ってアオゲラと遭遇。
ピョーピョーと鳴いては木をトントントン。
繁殖期の彼らの声が響き渡ります。

声はすれども姿は見せずのウグイスや小鳥たちの声が聞こえる林内を歩いていると、風に乗って頭上を旋回するように飛ぶのはノスリ。
彼の登場に一瞬静かになる林内でしたが、直ぐに鳥たちの声があちらこちらから聞こえるようになりました。

今回の下見は、風が冷たいせいか声は聞こえても夏鳥の姿を確認することが出来ませんでした。
声がするという事は鳥が居る訳で見られるチャンスがあるはずなので、イベント当日に期待したいと思います。
日々賑やかになっていく大沼は恋の季節。
鳥たちが愛の歌を歌いあげる姿を見られる事を願っています。

     くどう