2月5日、雪が止んだばかりの山毛森は雪が止んだばかり。
小雪がチラチラと舞う中で、フカフカ、サラサラの新雪が覆うブナ林の中で、環境省補助金事業「スキーハイクで冬山さんぽ・〈初・中級〉山毛森コース」を開催しました。

チラついていた雪も気にならなくなり、雲の切れ間に青空が覗いたり隠れたりする中、秋田八幡平スキー場のゲレンデ脇に立つ、クマ棚の掛かったブナの下から森の中へと入っていきます。

スキーハイクを履いても膝くらいまでの雪をかき分けて木々の間をゆっくりと進みます。
板の裏にシールが着いているので、登りもスリップすることなく歩けます。
そして深雪でもスノーシューより沈まない。

ブナの幹に残されたツキノワグマの爪痕や、雪の造形、コシアブラの実やブナの殻斗などの冬の木々の様子を観察しながら静かな森の中で斜面を登ったり滑ってみたりしながら散策。
普通のスキーより短い板は、雪の中でも楽に動けるので観察の際にも対象物に近づきやすいのが良いところ。

突如開けたその場所はアスピーテライン。
ちょうど陽が射して、真っ白な雪面に影が伸びます。
今は雪に閉ざされて静かで物寂しさを感じますが、春になれば多くの車が行き交い、時々ツキノワグマも出没する秋田と岩手を結ぶ道路です。

再びブナ林の中へ戻って大きな雪の塊に落書き。
何とも言えない作品が出来上がりました。
通称、雪オバケ。
冬のブナ林を歩くときは気を付けて下さい。
どこかで雪オバケがあなたを見ているかもしれませんよ。

雪持ちの木々の光景が美しいブナ林を景色を見ながら。
でも、ついつい視線は足元に。

そして斜面を軽快に滑り降りる皆さん。
平坦地では板を滑らせるように進むことでスノーシューより一歩が大きくなり、下りは滑り降りる事で楽に移動出来るの体力の消費が抑えられるのがスノーハイクの利点です。

休憩中に描いた画伯の作品。
顔を描くだけなのに、それぞれ個性が現れていて面白いですね。

思い思いに滑って転んで大騒ぎ。
滑っても痛くも痒くもないフカフカの雪ですが、溺れる程フカフカなだけに転ぶと起き上がるのに苦労する方も。
たっぷりと八幡平の雪の感触を味わって頂きました。
皆さん、転ぶ度に起き上がり方が上手になっていきました。

そんな一行を尻目に餌探しに没頭するコゲラさんでした。

今回のイベントは風も無く比較的良いお天気の中での開催となりました。
慣れないスノーハイクに少し及び腰の皆さんも、進んで観察対象に近づいたり、斜面で滑り降りるコースを自ら選択したりと徐々に楽しさを覚えて頂けているように見えました。
生き物たちの痕跡や厳冬期のブナ林の雰囲気と雪の感触を楽しんで頂けたのではと思っています。

     くどう