皆様、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
さて、今年の仕事始めは8日に開催のイベントの下見からという事で、いきなり吹雪の山へと行ってきました。
山毛森主に一足先に会ってきました。

朝から雪模様の中を車を走らせると、標高が上がるにつれて雪の降り方も激しくなっていきます。
途中、大沼の様子を見たくて車を止めたものの、雪原と化した大沼は降り続ける雪と風に舞う雪に霞んでしまっていました。
発着点となる秋田八幡平スキー場も、吹き付ける吹き付ける風雪によって上の方が見えない状況です。

ブナ林の中に入ると、風も弱まりましたが木々は吹き付けるように降った雪を纏うモノトーンの世界。

大きな冠雪もあちらこちらで見られます。

少し息を切らしながら歩く雪の中。
フカフカ、サラサラの新雪の深さは股下から多い場所では腰の高さを優に超えています。
あ、お腹が膨らんでいますが、ウエアのポケットに色々と詰め込んでいるだけなので…

大変ではありますが、なかなか心地好い雪の感触を確かめながら進むとツルアジサイのドライフラワーを見付けました。

そのまま目線を上に辺りを見回すと、規模は大きくないもののクマ棚が幾つも見つかりました。
秋は一見してブナの実が沢山実ったように見えましたが、場所によって違うようです。
クマ棚が多いという事は、この辺りのブナはあまり実入りが良くなかったようですね。
僅かなブナの実を求めてクマが何か所もの木に登ったのでしょう。
そういえば、12月の半ばに雪の中を歩くツキノワグマがスキー場で目撃されたとか…
冬籠りに入るには、少しお腹が満たされていなかったのかな?

可愛らしい寝顔のようにも見えるサワグルミの葉痕や綿帽子を被ったツタウルシの実。
雪の中でも見られるものは沢山あります。

などと言っていると、風にあおられて木々の枝に積もった雪が一気に落ちて舞う粉雪のベールに景色が霞んでしまう事も。

ゆっくりと辺りの様子を見渡しながら歩くと何時しか風もやみ、森の中にひっそりと立つ山毛森の主に到着。
四方八方に大きく枝を広げた様子は見事としか言いようのないミズナラの巨木です。
主の姿を眺めながら暫し休憩。
上空を吹き渡る風の音が時々聞こえる以外は、とても静かで心地好い空間です。
音のする筈のない、しんしんと降る雪の音さえも聞こえてきそうな不思議な感覚になります。

気が付けば雪もやみ、青空が覗く瞬間や、ぼんやりと太陽が輝く事も。
辺りが明るくなると森の様子も違って見えてきます。

アーチ状になったダケカンバ。
雪の力を思い知らされる一場面です。

スキー場に戻って空を見上げると、再び太陽は雲の彼方へと姿を消して雪が舞い始めました。

今回の行程中は殆ど雪が降る中を歩く事になりましたが、次第に風が止み、雪が止みとその時々によってさまざまな光景が見られました。
深い新雪をラッセルしながらでしたが、八幡平のフカフカでサラサラの雪をたっぷりと体感する事が出来ました。
イベント当日の雪の状況が今から楽しみです。
フカフカの雪と美しい自然の造形美が見られることを期待したいと思います。

     くどう