山はチリチリと細かな雪が降ったり止んだりのお天気の中、25日(土)開催予定の「スキーハイクで冬山さんぽ・〈上級〉ふけの湯・大谷地コース」の下見に行ってきました。

秋田八幡平スキー場のリフトに乗って出発。
霧氷を着飾った木々を高い位置から眺められる至福の一時です。

リフトを降りると、森の中に白くぽっかりと空間が。
今回の目的地の一つ、雪原と化した大谷地です。

里では前日から雨が降り続いていましたが、山は気温が低くなったようで全てが霧氷に包まれた雪と氷の世界。
まるで、氷の女王が冷たい息を吹きかけて木々を凍らせてしまったようです。

あちらこちらに沢山の真新しいウサギの足跡を見付けましたが、表面は雨で融けた雪が凍った状態、中はザクザクの湿った雪というコンディションにウサギも足を取られながら動き回っていたようです。
スキーハイクも今回は苦戦を強いられています。

冬のふけの湯の噴気地帯。
あちらこちらから湯気が上がり、地熱によって雪の解けている部分も多くあります。

大谷地を目指して森の中へ。

大きなオオシラビソが立ち並ぶ林の中にヤマドリの足跡。

細かな雪と霧氷がオオシラビソの葉を包み、幹に着生する地衣類も霧氷に飾られています。
大きなサルノコシカケもカチカチに凍りついていました。

大谷地。
初夏の頃には風に揺れるワタスゲの果穂が湿原を白く染めますが、冬は真っ白な大雪原。

冬でなければ立ち入ることの出来ない湿原の真ん中から見渡す景色は、モノトーンではあるものの美しさに満ち溢れています。
ブナの枝の一本一本を包み込む霧氷、オオシラビソの葉の表面を覆う様に着いた霧氷、それぞれが美しくて溜息が漏れてしまいます。
この日は風も無く、静けさに包まれた大谷地。
その静けさが、雪と氷の世界の美しさを一層、引き立ててくれるようでした。
大谷地の景色を堪能した後は、再び森の中に入り、今度はアスピーテラインの大沼地熱発電所入り口を目指します。

森の中の木々には、ツキノワグマやモモンガの爪痕も残されていました。

雪の重みで木がしなって出来た空間にウサギが出入りした痕跡が。
この場所で天敵などから身を隠しながら木の冬芽を食べてフンを残していったようです。

立ち枯れの木にカワラタケ。
ちょっと気持ち悪いと思いつつも、ついつい写真を撮ってしまいました。

後は木々の間を縫うように滑りながらゴールを目指すのでした。

今回は雪のコンディションがあまり良くありませんでしたが、初めてのコースという事で森の中をあっちに行ってみたりこっちに行ってみたりとウロウロしてきました。
それでも広い森の中、気づかずにスルーしてきた物もあるはずです。
当日は、そういった物にも出会えればと思います。
冬の森の中を色々観察しながらスノーシューより楽に移動出来るのがスノーハイクの良いところ。
色々と観察して滑りも楽しんで、冬の森を満喫したいと思っています。