
今季初の積雪となった数日前の雪が消えた大沼は、人の気配も疎らとなり静けさと共にひんやりとした風が吹き渡るのみとなりました。
鮮やかに山を彩った竜田姫と雪と静けさで荘厳な世界を見せる白姫が入れ替わりの頃合いを相談しているようです。



湿原に広がるヨシは日が差すと穂が銀色に輝き、風が吹くと全体が大きく揺れてまるで波が押し寄せて来るかのように感じられる事もあります。
そんなヨシを風除けのようにして立つガマの穂は、いつ種を飛ばそうかとタイミングを計っているようです。


種を飛ばそうと頑張っているのは他にも。
タチギボウシは鞘を大きく広げ、ミネカエデは翼の着いた種をプランと下げて風を待っています。

色合いの少なくなった中で良く目立つのはナナカマドの実。
今年は沢山実が着いたので、あちらこちらで風に揺れる様子が見られます。
この先訪れる厳冬期に、鳥たちの食べ物となる大事な実です。


まるでブドウのように小さな実を沢山着けているヤマウルシ。
果皮が剥がれ落ちて現れた白い実は、細い筋が幾つも通り手毬かぼんぼりみたい。



実を着けたまま冬を迎えるものは他にも。
ハイイヌツゲ、アカミノイヌツゲ、ヒメモチなど。
どれも目に付きやすいので大沼を周る時に観察してみてはいかがでしょうか。



冬芽が良く目立つのはレンゲツツジにホオ、ハクサンシャクナゲ。
来年の花を咲かせる準備をして冬を迎えます。


特徴的な冬芽はオオカメノキにタムシバ。
オオカメノキはバンザイをしている人?それともウサギ?
タムシバはふわふわのフリースでも着ているみたい。
木によって違う冬芽を見比べるのも、この時期の楽しみの一つです。




葉が落ちて見通しの良くなったブナ林、木々の間に見える景色、モコモコとして見えるブナ、まだまだ頑張っている草紅葉と、寂し気な雰囲気の景色も味わい深い季節。



そんな景色の中で、ダケカンバが他の木より白く目立ちます。
水際に立つ姿、歩道沿いに立ち並ぶ様子、水面に映る姿と、どれをとっても絵になります。


葉が落ちたブナの枝先に残る沢山の殻斗の様子や、大きなヤドリギも目立ち始めました。
「紅葉も終わったし何も無いよ」と言う方がいますが、この時期でなければ見られないものがいっぱいありますよ。


オシドリやマガモなどの水鳥の姿も。
大沼が氷で覆われるようになる頃まで、水鳥たちが水面を泳ぐ様子が見られます。
間もなく訪れるであろう冬を目前に、静かな山は準備万端。雪が積もるまでは、その様子を楽しみながら散策することが出来ます。
装備を整えて、冬目前の大沼を堪能しましょう。
くどう





