中秋の名月を見送り、満月の日である27日。この日は月も隠れそうな雲が山を覆う薄暗い天気。ひんやりとした空気を感じながらも、日ごとに色づいて盛りを目前にした焼山を登ります。

本日は紅葉の見ごろを狙い焼山を歩きとおすイベント「秋田焼山縦走 紅葉トレッキング」の下見に行ってきました。

外から見ると黄色に染まり始めたブナ林も、中に入ればまだまだ緑色。林の中は風も無く気温が安定しているので、明るい黄色に囲まれるのは外側の木々の葉が落ちてから。

ひと際大きいヤマナメクジが体をめいっぱい伸ばしていました。たばこの箱と比較するとその大きさに驚かされます。

開けた場所からは色の異なるブナを見上げることもできます。逆光と曇りのため写真が暗めなのが悔やまれるところです。

この時期になると見られる花は限られてきます。そんな頃に登山道の足元を飾ってくれるのはエゾオヤマリンドウ。

年中見られるカワラタケですが鱗のようで見応えがあります。秋と言えばキノコの時期で、ブナ林では実に多くのキノコが見られます。見るのは楽しいですが種名まで把握するのは難しいところです。

国見台からは八幡平山頂は雲で隠れていたものの、大沼や後生掛のエリアを見渡すことができました。スポットライトのように照らされた木々が輝いて見えます。

シラタマノキの葉の色は全体が変わるまでまだ少し掛かりそう。

ガンコウランは葉の隙間から黒い実が顔を覗かせています。

吹き上げる風が強い毛せん峠では、ナナカマドが葉を落とし冬芽とわずかに実が残るのみ。雨も降っていたようで、雫が滴り物悲しい雰囲気を纏っています。

ガクウラジロヨウラクの葉は写真のように真っ赤に染まっている場所が多く、紅葉トレッキングの見所となりそうです。

全体を見ると赤や黄色が目立ってきました。ダケカンバは緑色のものも多く、見頃までもう少し。当日までの1週間でさらに進むと考えられるので、間でもう一度見に行きたいと思ってしまいます。

オオシラビソは枝が項垂れるほど多くの球果を付けています。ホシガラスも飛んでいたのできっと種子散布に協力してくれることでしょう。

焼山を進んでいる間は、雲が掛かっては晴れてを繰り返していました。当日の天気が良くなることを願います。

焼山噴火口の湯沼は現在水量が減り、落ち着いている様子。

焼山の岩肌やガレ場を彩るイワカガミも赤みを帯びてきています。

ここからは玉川温泉へ向け下り道。森吉山を正面に西日も差してきた登山道を進んでいきます。滑りやすい箇所も多いため慎重に行きましょう。ひとまずこの日は足を滑らせただけで転ばすには済みました。

落ち葉に紛れる色をしたヤマアカガエル。寄って見ないと見失ってしまうほどの同系色でした。

玉川方面の登山道もブナ林の中を進みます。今年実ったブナの実や殻斗を見たり、樹から落ちる音を聴きながらの道中です。

冷水場と呼ばれる沢は水量が減り、飲めるほどの流れはありませんでした。後生掛登山道から向かうブナ林と比べると、林の中も乾燥気味。細かな違いを見ては、時折木漏れ日を浴びながら下っていきます。

硫黄の香りや立ち込める湯気が見えたらゴールは間近。下りの連続に膝を労わりながら下見を終えました。

当日は紅葉が進み、更に綺麗に映る箇所もあれば時期を過ぎてしまう景色もあるかもしれません。イベントではその場所ごとに変わる自然ならではの見所を見つけられたらと思います。

     さいとう