
4月29日、「八幡平山頂 残雪の湖沼群めぐり」を開催する予定でしたが、前日の雨と雪のお陰でアスピーテラインが終日通行止めとなった為、代替イベント「残雪の大沼巡り」を開催しました。
朝は霧に包まれていた大沼は青空が広がり、アスピーテラインの通行止めが信じられない様な穏やかなお天気になりましたが、積雪と凍結で夏タイヤでの車の走行は危険なので致し方ありません。
気分を切り替えて、残雪の大沼を楽しみましょう!

暖かな春の日差しに、木々の影が伸びる残雪のブナ林の中を歩いていくと、ザクザクと一足ごとに足元から聞こえる音が心地良く感じられます。

雪の上に落ちていたブナの枝には、サカヅキキクラゲがビッシリと。
前日の雨で潤って、プルンプルンです。

ふわふわのヤナギの雄花序が雫を纏ってキラキラ。
目を凝らして良ーく見ると、雫の中に参加者の皆さんの姿が逆さに映り込んでいます。

「何これ?」「うわー、気持ちわるっ!」「すごい、きれいに並んでるー」などなど…
様々な声が上がったこれは、蛾の卵かと思いましたが、どうやらアオクチブトカメムシの卵のようです。
こんな規則正しい、きれいな模様が自然界に存在するんですね。
う~ん、なかなか面白い…


まだまだ多くの雪が残っていますが、雪解けが着実に進む大沼を見下ろす皆さん。
ん?見下ろす??

やっぱり始まった、残雪の尻滑りーっ!


笑顔で雪を跳ね上げながら、軽快に滑り降りる皆さん。
色々と観察しながら、ワイワイと賑やかに歩いてきましたが、ここにきて一層賑やかな声が響き渡ります。

一度では物足りないと、再び滑りに向かう人。
その気持ち、良ーくわかります。

皆で撮影会。
何を撮っているの?

ヤママユガの繭でした。
大きな穴が開いてしまっているので、鳥などに中の蛹が食べられてしまったのでしょう。空になってしまった揺りかごが、寂しく風に揺られていました。

ハウチワカエデの花が咲きそう。
もう、あっちを見たり、こっちを見たりと大忙しです。
この先、もっと忙しくなるよ。


根開けの進むブナの根元に見つけたのは、ブナシロヒナノチャワンタケ。
堅いブナの殻斗をを分解するキノコです。

小さな小さなモモンガのフンを見つけました。
モモンガは、食べ物の乏しい積雪期にはオオシラビソの雄花の冬芽を食べます。



という事で、近くにあった雪で折れたオオシラビソを観察。
雄花は木の低い場所の枝の裏側に小さい粒々が、雌花は木の高い場所の枝の上を向いている方に着きます。

こちらの気配に気付いたのでしょう。
大沼の水面をカルガモが泳いで遠ざかっていきます。

どこを見ているのかしら?

苔や地衣で覆われたミズナラの上に2羽のコゲラの姿。
ジッと様子を伺っていると…

一羽がもう一羽の背後に近づき…

背中に乗って…

お尻とお尻を合わせるようにして

交尾。
チョット見難い位置ですが、命を繋ぐ大事な一場面を垣間見ることが出来ました。

近くにはメスを求めて囀るシジュウカラ。
恋の季節の到来ですね。

続いて向かったのは、大沼の外輪の一角に立つキタゴヨウの巨木。
その幹回りは4m38㎝、長きにわたって大沼の歴史を見て来た「物言わぬ重鎮」です。

雪がある時しか行けない巨木の前で一枚。

おや?形が悪いけど、これはブナシメジじゃないですか。
本来は秋に発生するのですが、いわゆる時知らずというやつですね。

同じ木の裏側に回ってみると、今度は粘菌。
たぶん、ススホコリの仲間だと思うのですが…
頑張って調べてみます。




そして再び尻滑り。
今季最後の?尻滑りを満喫していただきました。
皆さん、めっちゃいい顔。

大沼の岸辺に出ると、風が水面をさざ波立てながら渡って行きます。


ブナ林の中を歩いてきた事もあってか、解放感抜群!
思わず雪の上に寝転がってしまう人も。
気持ち良さそう。


湿原の雪解けの早い場所にはエゾノリュウキンカやミズバショウ。
コバイケイソウの若芽も見え始めていて、雪解けが進み次第、湿原に彩りを添えていきます。

ちゃんと撮れてる?

冬の間に雪で落ちてしまったのでしょう。大きなヤドリギが一株落ちていました。
似合ってますねー、そのまま頭に根付いたらどうする⁉
なんてね。

見上げれば、ブナの冬芽もほころび始め新緑の季節が近い事を物語っています。
今回は山頂を周るコースの代替としての大沼散策という事で、残念ながらキャンセルとなった方もありました。
それでも残雪の上は紹介したもの以外にも色々な物が見られ、ゆっくり、じっくりと観察する事が出来ました。参加された皆さんには、季節の移り変わりの真っ只中の、残雪の大沼を楽しんで頂けたのではと思っています。
笑顔溢れる一日となりました。
くどう





