
日付は今日から5月。春から夏に徐々に変わり始め、空が晴れ、新緑の香る様子から「清和月(せいわづき)」とも呼ばれる季節です。暦の上ではそんな時期の大沼は未だ大部分が雪に覆われ、ここ数日でようやく地面が見えてきた頃。周りとは季節の周期が1つズレているかのようです。それでも凍える季節を乗り越えた冬芽が開き始め、辺りに色を付けつつあります。
【開花情報】
| 見頃 | ミズバショウ、エゾノリュウキンカ キクザキイチリンソウ |


標高の低い場所では新緑が鮮やかなブナも、1000m付近の大沼では多くが冬芽の赤色で、特に日当たりの良い箇所では芽吹いていました。


大沼を歩いてすぐ、顔を出していたのは木道沿いの解説版。見頃を迎えたミズバショウやエゾノリュウキンカに合わせたかのような雪解けのタイミングです。木道沿いは雪解けの早さに違いがあり、木道の上や水の流れがある箇所でやや窪み、木道の端では盛り上がって見えます。

5月ともなれば見頃は過ぎた桜も、大沼ではようやく桃色の蕾が出たばかり。このミネザクラは5月中旬以降に花を咲かせ、言わば花見の終わりを告げる桜です。

道中でカモシカの糞を発見。動物の中には何回も決まった場所に糞をする種類もいますが、この大量の糞はカモシカが一度に排泄したもの。食べ物の少ない厳しい冬を過ごし、なお逞しく生きている様子をこうした痕跡から見ることができました。ただ、少し角ばった硬そうな糞なので、水分不足ではあるかもしれません。

こちらはミズバショウの葉裏。少し美味しそうにも見えますが、葉や根に至ってすべての部分が有毒です。折れた茎などから出る汁にも触れると痒みやかぶれが生じるため、見た目の綺麗さに見惚れても触ってはいけません。

所々ではアスレチックのような個性的な雪解けを見せる木道もありました。翌日まで保つか分からない、この時期ならではの光景です。このような状況では崩れやすい雪の踏み抜きの他、画像手前のように雪に埋まっていた木々が勢いよく立ち上がることがあるので、歩く際には注意が必要です。

泥火山までの道沿いではハウチワカエデが芽吹いていました。見覚えのある、掌状の葉が今はまだ小さく項垂れていました。これから陽の光を浴びるため、大きく大きく葉を広げていくことでしょう。
5月の下旬までは夜間に降雪や路面の凍結の可能性のある寒冷な地、八幡平。ここから気温が上がって辺りが鮮やかになり、動物たちが賑やかになる時期を前に、澄んだ空気と落ち着いた雰囲気を味わうのはいかがでしょうか。
さいとう





