日本列島に長く居座った最強寒波の影響を受けて山は雪と風に見舞われた2月11日、難航を予測しながらも23日(日)開催予定の「八幡平樹氷トレッキング」の下見に行ってきました。
秋田八幡平スキー場で一緒になった方々と「状況を見て無理をせずに引き返す」事を条件に出発です。

遠くの景色は見えませんが、雪の降りしきる中でもダケカンバの霧氷や着雪が綺麗。

アスピーテラインの蒸ノ湯休憩所の道路標識もだいぶ近くになりました。

綺麗な様子を写真にと思うものの、カメラのレンズに容赦なく雪が着いてしまいます。
スノーシューを履いても普通に膝丈、時には腰、時には胸近くの深雪を交代でラッセルしながら。

標高を上げるにつれて風も強くなり、ダケカンバの中に混じるオオシラビソの姿が樹氷らしくなっていきます。

こんな吹雪に…と思いながらも、時折見られる小さな光景が綺麗で何だか楽しくなるのが不思議です。

周りを見渡すと、どこも似たような景色に見えてきます。
油断したら迷ってしまいそう…
焦らず、正確に一歩ずつゆっくりと。

日が差す瞬間もありましたが、一時的に雪が止んでも風は止まず、新雪が風に激しく巻き上げられます。
そんな状況で、ぼんやりと浮かび上がる木々の様子が何とも言えない美しさ。

あのオオシラビソ、上の方がなんだか顔みたいに見えるよ。

何とか指導標174番を越えましたが、これ以上進むのは無理という事で無念の撤退となりました。
片道の行程の3分の1程度しか進んでいませんが仕方ありません。

そんな一行に、山は最後にチョットだけ微笑んでくれました。

冬の八幡平は荒天の日が多いのですが、今回の下見は風雪はともかく思いの外深い雪に苦しめられました。
樹氷原には辿り着けませんでしたが途中の雪と氷を纏った木々が美しく、冬の厳しさと美しさの両方を見た感じです。
山頂周辺に広がる樹氷原の光景はもっと素晴らしく登山者を魅了して止みませんが、簡単に行く事の出来ない場所。
イベント当日は樹氷群を見られる事を期待します。

     くどう