22日開催予定の「栂森スノーハイキング」の下見に出掛けた13日、前日までの好天と夜間の雨のお陰で水分を多く含んだザクザクの雪の上を歩く事になりました。
空は雲に覆われ、上空は強い風が吹いているようです。

春の気配が漂い始めたブナ林。
時折薄日が差す中を歩くと、あちらこちらにツキノワグマの痕跡を見られます。
まだまだ雪の多い八幡平エリア。
彼らが活動を始めるのは、もう少し先のようです。

ベコ谷地に到着。
いまだに2m程の雪に覆われていますが、湿原が姿を現して花々が咲き誇る春の訪れが待ち遠しくなります。

栂森に続く稜線を歩くと、標高が上がると共に植生が変化していく様子が良くわかります。

雲の切れ間に太陽が覗くと辺りが一気に明るくなり、雪面を駆け回ったノウサギの足跡がはっきりと見えました。

樹氷が落ち掛けたオオシラビソたち。
何だか小さな怪獣が集まっているみたい。

勢いよく雲が流れる空を目指して最後の急登。

半分落ちた樹氷が標高の高い場所にも春が近づいている事を物語っているようです。

油断していると吹き飛ばされてしまいそうな強風の中、栂森手前のピークから見る秋田焼山。
真っ白な雪が眩しく輝きます。

やたらと背の低いオオシラビソや雪面の風紋から、この場所が強い風の吹くことが多い場所というのが容易にわかります。

栂森のピークからの秋田焼山。
頭の直ぐ上を迫り来るように流れる大きな雲たちが落とす影に、山の表情がどんどん変化していきます。
構えるカメラも風に激しく揺さぶられ、「風の栂森」らしさ全開です。
風が写らないのが残念…

薄く積もった雪の下から、地面を這うように生育している植物たちが顔を覗かせてキラキラと輝く氷を纏っています。

猛烈な強風に煽られながら進む毛せん峠。
遠くの山並みははっきりとは見えませんが、遮る物のない場所からの眺めは心を動かすものがあります。
更なる絶景はイベント当日のお楽しみですね。

毛せん峠から少し進んで目の前に国見台、奥に八幡平方面を望みます。
雪を落とした木々が稜線をはっきりと浮かび上がらせて、山は冬と春が混在しています。

眼下に見えるは後生掛大湯沼。
ここまで綺麗に見えるとちょっと感動。

大湯沼を目指して林内に入ると、オオシラビソの中にホシガラス。
こちらに気付いてか気付かずか、片足で首筋を掻きながらリラックスムードなのは見えたのですがカメラで捉えるのはこれが限界でした。

ナナカマドに出来たクマ棚や、真っ直ぐ歩くヤマドリの足跡を見ながら進むと…

後生掛大湯沼に到着。

今も少しづつ西に移動している大湯沼の西端で激しく湧き上がるお湯の様子に地球のエネルギーを感じられずにはいられません。

今回の下見は雲の多い空模様の中でしたが比較的暖かく、ザクザクと重い雪がスノーシューに纏わり付き汗をかきながらの行程となりました。
林の中を歩くので標高の低い場所では風は気になりませんでしたが、空の開ける栂森は10mを軽く超える栂森らしい良い風が吹き付けていましたが、イベント当日は天候・眺望共にどんな光景が待ち受けているのか楽しみになります。

     くどう