ニッコウキスゲほか、高山植物が咲き乱れる「大深湿原」はまさに天空の花園・・・

あいにくと言ってしまう雨。天気予報は雨マークが続いています。

お目当ての花々は生き生きとしているのでしょうか。

霧でかすむ”名無しの沼”、緑が鮮やか。

雨にうたれてしっとりと。虫たちの受粉の仕事は終わったのでしょうか?

何にも見えない「諸檜岳」

雨が小降りになりました。振り返ると「畚岳」が見えています。

雨は小降りとはいえ、渓流歩きをしている気分です。大量の雨水は川のように流れています。

いつの間にか「石沼」に到着。

もしやとは思っていましたが、機械のエンジン音の主にお会いできました。

岩手県公園管理員の方。こんな日にも刈払い作業をしておられ、このあと私の接近に気づき少々驚かせてしまいました。ともに、こんなこんな日に・・・と思っていたそうです。

眺望の良い尾根に出ると、いつものようにハクサンシャジンさんのお出迎え。

ヨツバヒヨドリさんも雨上がりの清々しいご様子。

気持ちのいい尾根歩きが続きます。手前のピークは「嶮岨森」、その先に避難小屋の屋根が見えてきました。

尾根から見える変わった形が印象に残る沼、もちろん地図に名前はありませんが、古い新聞の記事にこの登山道が出来た当時、この個性的な形の沼に「ひょうたん沼」という名前が付けられたとありました。60年以上前のことです。

そして「嶮岨森」です。空腹を感じていますが大深避難小屋到着は昼を少し過ぎそうです。

貸し切りの小屋に到着。

週末は大深湿原の花を見に訪れた人たちでにぎわった(雨?)のでしょうが、小屋の中はとてもきれいでした。

小屋を出て、オオシラビソの樹林を出ると眼下に黄色と白の花々の景色がバババ~ンと広がっていました。ニッコウキスゲとコバイケイソウの大群落です。

歩いても歩いても広大な花畑は途切れることなく、目の前にも、振り返っても一面の花・花・花が続きます。なんて素晴らしいのでしょう。確かに難儀はしましたが、それが故、出会うことができた景色、”天空の花園”とはぴったりの呼び名です。

コバイケイソウは今年”当たり年”といわれていますが、まさにその通りだと思います。

大柄な花たちに隠れて目立ちませんが、足元にはキンコウカ、イワショウブ、チングルマ、イワカガミ、アオノツガザクラ、エゾツツジなどなど。

シナノキンバイにも逢えました。

貸し切りのお花畑”大深湿原”は圧巻の一言。どんな表現をすればいいのか適当な言葉が見つかりません。最大の賛辞、奇跡の絶景?だとかも使い古されているような気がします。

見る人のそれぞれの想いだとか、難儀だとかも加味されて、結果、それぞれの感動を与えてくれるということになるのでしょうね。

   あべ