3月9日(火)山は朝から快晴で、春の兆しさえも感じられる麗らかなお天気の中、3月14日(日)開催の「ベコ谷地スノーシューハイキング」の下見に行ってきました。

透き通るような青空の下、登山口付近からはブナの森の奥に国見台が顔を覗かせています。
雪のコンディションは、固雪の上を薄っすらと新雪が覆っています。

雪に隠されていた川が露わになり、そこに生えるダケカンバの若い木に霧氷が見られました。
朝方は放射冷却でかなり冷え込みましたからね。
霧氷は、日が当たるまでの短い命。
少しの間ですが、美しい姿を見せてくれました。

橋の上の雪は2mくらいかな?

橋を渡り、林に入って直ぐに見つけたモモンガの食痕。
お約束通り、オオシラビソの葉を贅沢に食べ散らかしています。

今シーズンは雪が多いので、ダケカンバのアーチをくぐるのには少しお腹が苦しいくどーさんでした。
苦しいのは太ったからだって?

新雪の上に残されたリスの足跡。
こういったフィールドサインなどを見ながら歩くのが、くどーさんは好きなのです。

しばらく沢沿いを進みます。
真っ白な雪の上に伸びる木々の影が綺麗です。
日差しが眩しく、日の当たる場所は暖かいのですが、ちょっと日陰に入るとヒンヤリとします。

新雪が日差しにキラキラと目に眩しい程。

オオシラビソたちの影が青味を帯びて見えます。
冬の七不思議の一つです。
あとの六つは何かわからないけど。

雪から伸びる立ち木の根元に霧氷が着いています。
ちょっと臭う…
くどーさんじゃないよっ!
どうやら、少しですが火山性のガスと蒸気が根元から出ているようです。

お天気の良い日の雪の上は楽しいです。
ヤマドリの足跡にニホンカモシカの足跡と、動物たちの痕跡がたくさん残されています。

それから地衣類。
センシゴケやヨコワサルオガセ、カラクサゴケなど、その他にも沢山の地衣類が見られます。

オオシラビソにクマの爪痕がたっぷり残されていました。

などと、あちこち見ている中、振り返ると木々の間に畚岳。
我らがもっこちゃんは今日も綺麗でした。

ベコ谷地に到着。

ベコ谷地の中心からの眺め。
お天気が良いと、どこを見ても美しいものです。
澄んだ青空と真っ白な雪原がとても綺麗。
雪の上に寝転がってずっと眺めていると、青空に吸い込まそうな感覚に陥ってしまいます。
なんだか、自然と一体化したみたいな不思議な感覚にもなってしまいます。

ベコ谷地を横断して、展望地に向かう途中で見つけた2本。
オオシラビソがブナを抱き寄せているようにも見えます。
二人は今、どんなことを語らっているのでしょうか。
種を越えた禁断の愛?

このブナは何か物思いに耽っているのでしょうか。
まるで頬杖でもついているかのようにも見えます。
ブナの深いため息が聞こえてきそう…

このブナを見て思ったこと…
木は、なぜ捻じれながら成長するのでしょう。

このオオシラビソに至っては、枝の一本一本まで捻じれています。
捻じれの謎を考えてみましょう。
諸説ありますが、ちょっと考えて仮説を立ててみるのも面白いと思います。

雄花の芽が膨らんできたオオシラビソを見付けました。
花を見られるのはいつかな?

乾燥ブナハリタケ。
こういうのも楽しい…
特に、夏場に行けない場所は何が見られるか判らないから余計に楽しくて面白いのです。

雪の上にポツンとブナの殻斗。
なんだか寂しそう…

展望地に到着。
遠くの山並みは少し霞んでいますが、良い眺めです。

木の周りにウサギの足跡が残されていました。
結構ウロチョロしたようですが、糞やツルアジサイの新芽を食べた跡も残されています。
ウサギは、天敵が多いので身を隠しながら食事も命がけです。
食事をする場所が身を隠す場所。
周囲を気にしながらも、太い木に隠れながら食事をしたのでしょう。

立ち枯れのブナに、ツルアジサイのドライフラワーがたくさん。
花の時期にここに来れたら、さぞかし見ごたえがあったでしょうね。
まあ、来られないんですけどね。

テンの足跡をたどり…

大沼を見下ろせる展望地へ。
沼の雪解けが、先日のイベントの時よりも更に進んでいるようです。

大沼外輪に立つ、日本で二番目のキタゴヨウの巨木もハッキリと見えます。
この眺めを見ながら昼食です。

昼食を済ませて帰路へ。
木の根元から出てきたアカネズミらしき足跡。
穴から出てきて辺りを警戒した後に移動した様子が想像できる痕跡です。

雪解けが早く進む今シーズンは、既に見られないだろうと思っていました。
大きな冠雪が残っています。
積み重なる雪の層が豚バラみたい…

雪に埋もれていたブナの葉が顔を出しています。
雪の漂白作用によって、少し透き通ってきています。

少し古いものですが、キツツキが開けた穴を発見。
入口に羽根がいくつか残されていますが、どうやらキツツキの類の物ではなさそうです。
きっと、他の鳥が塒に利用したのでしょう。
こうして彼らが開けた穴は、他の動物や鳥が巣にしたり塒にしたりと活用されていきます。

などと、ブナの森を歩いていると澄川が見えてきました。
川岸の雪解けの様子に、ゆっくりと歩み来る春を感じさせられます。
間もなくゴールです。

今回の下見は、これ以上ない好天に恵まれました。
おかげで、ブナの森の中で色々なものを見付けることが出来ました。
イベント当日は、どんなお天気になるのでしょうか。
何を紹介出来るのでしょうか。
楽しみです。

       くどう