「ドラゴンアイ」だけじゃもったいない!八幡平山頂部にはほかにも美しい火口湖がたくさん。残雪期だけの宝石のような景色を目撃しよう。ということで・・・
見返峠は霧雨、それでだんだん青空が広がるだろうと期待をしながら「ドラゴンアイ&雪解けの湖沼巡り」下見の出発です。
登山道入り口は雪解けが早いので何か咲いているかな、と覗いてみるとヒメイチゲです。昨日は咲いていたのかな、今朝の霧雨の中ではまだ半開きの状態。
鏡沼分岐はすでに雪はなく、長靴履きのお二人は「ドラゴンアイ」を見に行くようです。私たちは真っすぐ見返峠に向かいます。
残念なことに、歩道脇のフキノトウが点々とこうなっていました。
春の到来!早い花は何が・・・と期待やら、ありましたが、フ~とため息が出てしまいました。
木道を登ると、まだそこは雪の世界。寒くはないのでシャツ姿ですが、正直なところ、竹竿がないと夏道がよくわかりません。まして、これが濃霧だったらとっても困ったことになってしまいます。
それでも見つけました。ヒメウスゴのようです。へぇ~、葉の展開よりも花の方が早いんですね。雪で押されて地面を這うように立ち上がっていましたが、草丈はほんの20~30㎝ほどでした。
木道は再び雪の中に隠れてしまいました。
雪面を踏んで八幡沼の南側から沼の岸に出てみました。ここからだと水面は見えませんが、大きな亀裂が入っていました。
訪れる人もない、”源太別れ”東側の”名無し沼”もこんな感じ。思いのほか雪解けが進んでいました。
”源太別れ”も看板は出ていますが、まだまだ雪に覆われています。
当日は行かないのですが、ちょっと欲を出して源太森に向かうことにしました。
源太森では、今年はもう見ることはできないなとあきらめていたガンコウランの花を見ることが出来ました。来たかいがありました。それにしても小さくて虫眼鏡が欲しいほどのサイズです。ピロ~ンと伸びたオシベは見えますが、メシベはよくわかりません。
歩道脇でワタスゲの花を探しています。
大沼では終盤なのですが、標高で600m以上も高いこの八幡沼湿原では、さすがにまだ早いようです。
頑張っている”ワタスゲ”さん、風でユラユラと。
八幡沼は東側からぐる~と廻って来たのですが、岸の近くには水面を取り囲むように亀裂が走っています。
ガマ沼もきれいに縁取りが出来ています。
霧雨はいつの間にか止み、青空を期待しますが、なかなかそうはいかないようです。それでも霧の中から畚岳が見えてきました。多くの方とは逆側からのアプローチで、メガネ沼から鏡沼に向かっています。手前側メガネ沼のエメラルドグリーンの水面が見えています。
そして鏡沼。今月18日にできた”ヒビ”は残念ですが、”青の縁取り”は全周には届かないものの、目玉の形には見えます。”黒目”の部分には”瞳”はまだ開いていません。
「この分だと日曜日ごろに目玉が開くんじゃないか?」などと、この様子を見ている人たちの解説が聞こえています。中心部分(瞳)に薄く縁取りがみえることから、そこがボコッと落ちて瞳が開くのは三日後かもしれないし、日曜日かもしれませんね。いずれ、今年の”ドラゴンアイ”は開眼までの最終段階のようです。
欲を出してもう一個。残雪の上を鏡沼西側の”名無し沼”(かつては青雲沼と呼ばれていたようです)に行ってみました。欲とは、この沼の形は鏡沼同様の丸い形なのでもしかすれば二つ目の・・・と思ったからなのです。
高鳴る高揚感、期待しました。が、しょせんは成るがまま、ヒトの思いなど関係あるはずもないですね。ここも雪がなければ近づけない今だけの場所です。
昼過ぎになりましたが、気温はあまり上がらなかったようでヒメイチゲは朝と変わらない半開きの状態。結構風が強くてプルプルと揺れていました。
不思議に思うのは、今見ている花も景色は毎年同じことの繰り返しとは口で言いながらも、全く同じということはあり得ないということ。期待はしても、あるがまま。ヒビが入ってもそれは今年の個性などと頭の中で考えていました。雪を踏んで出かけた方が、感動すれば今年のドラゴンアイ最高!ということになるのではないでしょうか。
今年も大盛況、八幡平”鏡沼”のドラゴンアイはいよいよ”開眼”近し!天気予報を見ながら、服装に気を付けて、お出かけください。
あべ