
この時期にしては気温が高いものの、曇り空の広がる2月15日、秋田八幡平スキー場のある山毛森(ぶなもり)にて「山毛森 白銀スキーハイキング」を開催しました。
スキーハイクを使って、冬のブナ林を観察しながら散策します。


強めの風に雲の流れが速く、日が差したり陰ったりする中でスキー場のリフトを降りると、菰ノ森と真っ白な雪原と化した大谷地の姿を見下ろすことが出来ます。
気温が高めなので、奥に見える山並みが少し霞んで見える様子、纏っていた雪を落とした木々の様子が、何だか春先の山を思わせます。

冬の観察対象の定番。
雪面に散らばっているのはダケカンバの球果の果鱗と堅果。
羽を広げた鳥のように見えるのが果鱗で、丸っぽい方が翼をもった堅果です。

「エイッ!」「ソレッ!」ブナの木に乗っている大きな雪の塊をつつく皆さん。

雪の塊が落ちて現れたのはクマ棚。
ツキノワグマが枝先の実を食べる為に折った枝が引っ掛ったものです。
昨年はブナの実が殆ど着かなかった為にクマ棚が作られる事はありませんでしたので、このクマ棚は一昨年の秋頃に掛けられた物のようです。

よく見ると、空になった殻斗が幾つか残されていました。



標高1206m、山毛森山頂に到着。
山頂周辺はブナに混じってダケカンバやオオシラビソが目立ちます。
積雪は3mを越え、オオシラビソがたっぷりの雪を纏って、冬ならではの美しい姿を見せてくれています。

あれっ?もう転んでる!
スノーシューより浮力が大きく雪の上を歩きやすいスキーハイクですが、当然スキーなので滑りながらの移動も。
圧雪したゲレンデと違って転んでも痛くないのが良いところ。
静かな冬のブナ林が大賑わいです。


恐る恐る?ゆっくりと木々の間を滑り抜けます。

雪と氷で出来たトンネル?
奥が暗いのがチョット怖い…


正体はシナノキの樹洞。
冬ごもりに使えるかチェックしたのでしょうか。幹にはツキノワグマの爪痕が残されていました。
「クマ居るかもよー」と言いながらも怖いもの見たさで覗いてしまいます。

雪の上をひたすらに歩き続けるセッケイカワゲラ。

ノウサギのフンは、食べた樹皮が殆どそのまま。

雪に閉ざされて静まり返ったアスピーテライン。
車が行きかい、沢山の人々で賑わうグリーンシーズンが待ち遠しくなります。


再びブナ林の中。
雪の暖簾の下で寝転ぶ人々。


雪に続くノウサギの足跡。
指を大きく開いて、柔らかな雪の上でも沈まないようにしているのが伺えます。

何を見てるの?


こちらも冬の観察の定番となったサワグルミの葉痕。
実も残っていたので果皮を剥がして堅果の観察。



山毛森の主、ミズナラの巨木に逢いに。
枝分かれ部分に乗った大きな雪の塊に顔を描いてみたり、主を引き抜こうとしてみたり。
思い思いに主との出逢いを満喫です。



雪で木から剥がれ落ちたのでしょう、落ちていた地衣を観察。
見付けたフジサルオガセ、ヨコワサルオガセを見比べてみました。
この冬は沢山の雪が降りましたが、2月も半ばとなり山の雪も落ち着いてきました。
冠雪などの雪の造形美を始め、雪上に観察できるものが多くなる時期です。
これから春に向けて、どんどん散策が楽しくなるブナ林を一足早く堪能出来た一日となったのではないかと思います。
くどう





