冬型の気圧配置を受けて空は暗く細かな雪が休みなく降り続ける12月22日、「後生掛・大湯沼へ行ってみよう」を開催しました。
冬の間は閉鎖されて立ち入る事の出来ない後生掛自然研究路の雪の上を散策です。

スタートは、フカフカでサラサラの真新しい雪を踏み締めて雪化粧の樹林帯へ。

キタゴヨウの幹に見つけたのはツキノワグマの皮剥ぎの跡。
背擦りもしたのでしょうか、体毛が残されています。

雪を纏った木々の間を縫うように進む皆さんの頭に肩に雪が積もり始めます。

綿帽子を被ったナナカマドの色鮮やかな実がモノクロの世界に浮かび上がります。

順調に思えましたが、やはり例年のこの時期に比べると雪は少な目。
雪が少ない場所や歩きにくい場所を回避し、遊歩道を目指して斜面を駆け下りる事にしました。

勢い余って転倒も、無事起き上がる事が出来ました。
でも、それがまた楽しいのです。

思い思いの方法で斜面を下ります。

目の前に現れたのは紺屋地獄。
激しくお湯が沸く姿が、染物屋さんが染料を煮出す様子に似ていると名付けられたとか。
残念ながら、湧き立つ湯気でお湯が湧き出す様子までは見えませんでした。

歩道の直ぐ脇にマッドポットや噴気孔、ガスと地熱で出来た空間が隠れている事も。
足元注意ですよー。

地熱と雪が創り出す独特な雰囲気の噴気地帯を大湯沼を目指して進みます。
ボコボコと激しく活動するマッドポットは冬も健在。

フリーウォーク。
やっぱり、広い雪面を見ると自由に歩きたくなりますよね。

大湯沼に到着。
お天気が良ければ、奥に国見台がドーンと控えているのですが…

という事で、今回は特別に沼へ近づいてみました。
勿論夏場は歩く事が出来ない場所。

ここは少しずつ西に移動している大湯沼の、かつて沼の底だった場所。
今は無数のマッドポットが激しく泥を噴き出し、大地のエネルギーを感じ取る事が出来ます。

東屋には雪庇が出来て重たそう。
という事で、皆で落としてあげる事に。
少しは軽くなったかな?

大湯沼を見下ろす高台へ。
ラッセルを買って出てくれた方に「あの奥まったキタゴヨウを目指して」「はいっ」…
いや、どの木よ?
キタゴヨウしかないし(笑)

高台へ到着。
大湯沼の全様を見て「わーっ」と思わず声が上がります。
ここから見るとクリスマスツリーみたいなキタゴヨウたちが噴気地帯を囲むように立っているのがわかります。
フカフカ、フワフワの雪は生クリーム?雪にまみれた皆さんとキタゴヨウはアイシングをした砂糖菓子?
なんだかケーキの上にいるみたい。

雪にまみれたついでに尻滑りで斜面を下って帰路に。
迫力のある滑りに笑顔が溢れ歓声が上がります。

雪の降りしきる噴気地帯の景観を楽しみながらゆっくりと帰ります。
同じ場所でも行きと帰りでは何故だか違って見えるのも不思議な感じ。

再び樹林帯へ入ると雪を被ったタムシバの冬芽やグニャグニャと枝が曲がった大きなミズナラを観察。
どうしてこうなったの?

最後にダメ押しの尻滑りは雪煙を上げて豪快に。
大人になっても子供心を忘れる事のない皆さんでした。

終始雪の降る中でしたが無事にイベントを終える事が出来ました。

今回のイベントはこの冬最初のイベント。生憎の雪の中での開催でしたが笑顔溢れる行程となりました。
すっかり雪に覆われた後生掛自然研究路の景観は、その場に立った人でなければ感じ得ない独特な雰囲気があります。
そして雪の感触は子供心を呼び覚ましてくれ、人を笑顔にしてくれます。
大人になっても、どんなに雪まみれになっても楽しいものは楽しいのです。

     くどう