ゴールデンウイーク後半が始まった5月3日、周囲の木々が芽吹き始めた大沼で「森の歌姫 “キビタキ” に会えるかな⁉」を開催しました。
留鳥に加えて夏鳥が飛来するこの時期、まだブナ林の中の見通しが良く観察にお勧めの季節です。

冷たい風が強く、あまり条件が良くはありませんが、鳥の声を頼りにブナ林の中を探索し、歩くのに疲れたら鳥の来そうな場所で休憩しながら鳥を待つを繰り返します。
今日は、どんな鳥たちに出会えるのでしょうか。

なんと! いきなり、イベントのタイトルにも謳っているいるキビタキに遭遇してしまいました。
枝にとまって小さな虫が飛んでくるのを待っているようでしたが、近くの道路から聞こえる車の音に驚いて飛び去ってしまいました。残念…
しかし、これは幸先の良いスタートになったのではないのでしょうか。

続いて姿を現したのはヒガラ。
ヤナギの花をいたずらに啄んで落としていました。

ブナの雄花が風に揺られています。
今年は沢山の実が成るといいなぁ…

残雪を渡って、普段は歩けない林の中へ。
餌を探しやすく、身の危険が迫った時にはオオシラビソの中に身を隠せる為なのか、ブナとオオシラビソの境で小鳥たちの声が賑やかに聞こえます。

再び出会えたキビタキ。
「ピィチュリ、ピィ、ピピリ♪」冷たい風が止んだ瞬間に、森の歌姫が少しだけ美しい歌声を聞かせてくれました。
まあ、歌姫と云いつつも歌うのはオスなんですけどね。
いつもは中々会えないキビタキですが、今日は2回も会えてラッキーとしか言いようがありません。

雪の上で餌を探すコガラ。
残雪の上には、冬の間に木から剥がれ落ちた苔や地衣類などが沢山。
その中に隠れてる小さな虫や、他にも植物の種子も沢山です。

徐々に木々の芽吹きも進む、鳥たちの恋の季節。

湿原では、例年よりも10日以上早くワタスゲの花が咲き始めていました。

ブナの枝先にヤマガラを見つけました。

キラキラ輝く水面の先に、一人くつろぐカルガモさん。

最後はビジターセンター裏の泥火山でコガモのペアの食事風景を観察です。

今回はお天気は良かったものの冷たい風が強く吹く中での催行となり、コンディションはあまり良いとは言えませんでしたが、大沼に生きる鳥たちに会う事が出来ました。
写真は撮れませんでしたが、アカゲラ、コゲラ、カケスにシジュウカラ、ヒガラ、オシドリなどの姿も見られました。
モズやウグイスの声も聞こえていたのですが、残念ながら姿は見えず…
しかし、キビタキの姿を間近にし、その美しい歌声を聞くことが出来たのは何よりでした。
一度会うと、また会いたくなる魅力的な鳥です。
条件が良ければ、空をフィールドにする者、森をフィールドにする者、水辺をフィールドにする者、湿原をフィールドにする者と、様々な鳥を見ることが出来ます。
木々が葉を開き切るまでは林内の見通しが良く観察しやすいので、恋の季節真っ只中の鳥たちの様子を観察しにいらしてみませんか。

     くどう