8月18日、雲が多めですが日射しのあるお天気の中で、26日開催予定の「コケ・シダ・トンボの楽園でミクロの世界へ」の下見を行いました。

巨岩と古木の蓬莱境、スポットライトのように木漏れ日を受けて、青々としたコケの中にコメツガの幼木が息衝いています。

苔むした巨岩や古木を見ながらゆっくりと。
植物たちの力強さと景観美を楽しみながら、蓬莱境一帯の独特な雰囲気を味わいましょう。

里は暑い日が続いてましたが、山は雨が降ったり霧が発生する事も多かった為に辺りはしっとりと潤い、シッポゴケも沢山の胞子嚢を着け、元気なミツバオウレンの葉がツヤツヤと輝いて見えます。

トウゲシバやケチョウチンゴケも生き生きとしています。

辺りは、何処を見渡しても緑。
そんな中では、小さなタケシマランの赤い実も目立って見えます。

多くのコケやシダの中を歩くと、某有名アニメーションで描かれた原始の森の中に居るようです。
この森に棲む動物たちや精霊たちが何処からかこちらの様子を伺っているかのような、そんな感覚にもなるのは何故でしょう。

蓬莱沼は針葉樹林の中に静かに佇み、その水面に周囲の木々をくっきりと映し出していました。
静かすぎて怖いくらい…

沼の畔では、花盛りを迎えつつあるタチギボウシの蕾の上でアキアカネが一休み。

静かな水辺で、オオルリボシヤンマが産卵中。
次の世代へと命を繋ぎます。

オスは縄張りを誇示しながら交尾相手のメスを探して盛んに飛び回っています。
静かでありながら、命溢れる蓬莱沼です。

旅の途中か、ここから旅立つのか、美しいアサギマダラが吸蜜中。
遠く南西諸島や台湾まで移動するので、休息とエネルギー補給は大切です。

今回の下見は日射しを受けると汗が流れる程でしたが、巨岩が折り重なる蓬莱境は岩の隙間から吹く風がひんやりと心地好く感じられる別世界でした。
ふわふわ、しっとりのコケの美しさと、静けさと、生命の力強さを目の当たりにした時間でした。
イベント当日は、どんな光景が見られるのか楽しみです。

     くどう