2月6日、秋田八幡平は朝から青空の広がる穏やかなお天気の中、2月12日(日)開催の環境省補助金事業「スキーハイクで冬山さんぽ・〈上級〉ベコ谷地コース」の下見を行いました。
後生掛から流れる澄川を渡り、林道からブナ林の中を通ってベコ谷地を目指します。
気温はマイナスですが、眩しい日射しに少し動くと汗ばむ程。
周囲の様子が気になるものの、登りはついつい足元ばかりに視線が…
そのお陰で、雪面に映し出される木々の影の美しさに気付かされました。
息を切らしながら斜面を登ると、そこに現れたのは大きな冠雪。
雪持ちの木々が青空に映えます。
あまりに綺麗で暫く眺めていたのですが、枝の上の雪が落ちまいとして必死にしがみついているイモムシのように見え始めて慌てて思考を切り替え。
シーンと静まり返るブナ林に、バサッ、ドサッと音が聞こえる度にキラキラと輝きながら舞う雪。
その下には、クレーターのように雪の塊が落ちた後が。
木の近くを通る時は気を付けなければいけません。
真っ白に煌めく雪を纏った木々が、競い合うようにその美しさを猛アピール。
この光景に、思わずため息。
何処を見ても綺麗なので、ブナ林の中をあっちに行ったり、こっちに行ったりとゆっくり歩きながらベコ谷地を目指します。
ベコ谷地に近づくと、ブナに混じってオオシラビソの姿も多くなります。
オオシラビソが纏う雪はアイシングでしょうか、それとも綿菓子でしょうか。
美味しそうに見えてくるのは私だけでしょうか。
ベコ谷地に到着。
森の中に突如現れる湿原は、広い雪原へと姿を変えていました。
真っ白な雪原に伸びる木々の影、時々空を渡る雲が落とす影が雪面を流れていく様子は、冬の美しさを映し出す巨大スクリーンの様で、その光景を独占する休憩時間は何とも贅沢な一時です。
誰の足跡も無い雪原に足を踏み入れるのは勿体無いと思わせる程の真っ新な雪面。
そこに踏み入る贅沢。
この感覚は、その場に行ってみないと味わう事の出来ないもの。
振り返れば一本のトレースが残されるのみでした。
ベコ谷地を横断して再び森の中へ。
こちらも自然の造形美が待ち構えてくれています。
クマ棚の掛かるブナの下で、眼下に大沼を眺めながら昼休憩。
雪原にポツンと立つヤチダモと、僅かに開いた水面が見えます。
後は斜面を木々の間を縫って軽快に滑り降りるだけ。
イベント当日は、てんやわんやの大騒ぎになる事を期待⁉
滑って転んで雪と戯れる楽しい時間になる事間違いなしです。
澄川まで下りると岩の上に雪帽子。
お餅の様な雰囲気が何とも言えない。
斜面を転がってきた小さな雪玉に見送られながら帰ってきました。
今回の下見は、これ以上ないと思わせる程の好条件に恵まれました。
この光景を自分たちだけが見ているのは勿体無いと思う程の光景の連続でしたが、ちょっとだけ、誰かに見せるのも勿体無いと思わせられたりもしました。
しかし、あの贅沢な時間を皆さんに味わって頂きたい!
イベント当日は、美しい光景と雰囲気を参加者の皆さんと満喫出来たらと思います。
くどう