秋雨の晴れ間の10月23日、紅葉に彩られ始めた谷合の木々が美しい志張温泉元湯を舞台に、秋の里山観察会「志張ふれあい散策路を歩こう」を開催しました。
完熟までは少し早いようですが、ガマズミの真っ赤な実が目を引きます。
鮮やかなレモンイエローのオオバクロモジと赤くなったガマズミの葉。
大きな木だけではなく、林床の木々の変化の様子を見るのも楽しいものです。
ビジターセンターより500m程標高が低いので樹種も多く、様々な木々の葉が地面を覆いつくす里山の秋。
サクサクと落ち葉を踏みながら歩く散策路で、それぞれ手に取って拾い上げたのはヤマブドウの葉にハリギリの葉。
ゆっくりと歩いては足を止め、「これは何?」「この色が綺麗」と秋の里山を満喫。
小さな花はキツネノボタン。
様々な色合いの葉がステンドグラスのようにも見えるブナの下から、様々な色合いに色付いてゆく谷向の様子を写真に。
どうやらハタケシメジの老菌のよう。
ちょっと触っただけで崩れる程柔らかくなっていました。
何を撮っているの?
何色にも彩られた小さなヤマモミジの撮影会でした。
全体の風景を見るのも良いですが、こういった小さな部分を一つ一つ見ていくのも色々な発見があって面白いと思います。
ツキノワグマのフンを発見。
サルナシやヤマブドウを食べたようです。
周囲にブナもある中で、液果を食べているので、まだ本格的に冬越しのための準備には入っていないようです。
もうすぐ、脂肪分の多いブナなどの堅果を食べるようになるでしょう。
ちょっと歩いて足を止めては写真撮影。
曇ってきましたが、その分色濃く見える紅葉を眺めながら川原で昼食。
贅沢な時間です。
川岸に立つブナは沢山の実を着けています。
一粒一粒が山の生き物たちの大事な食糧でもあり、未来の森を作る大事な役割を持っています。
ちょっとグロテスクなマムシグサは、性転換をする植物。
種から芽を出して花を咲かせる事が出来るようになるまでの数年間は無性、その後は雄株になり雄花を咲かせ、株の栄養状態が良くなると雌株になって実を着けることが出来るようになります。
株の栄養状態が悪くなると雌株から雄株へと変化することもあるようです。
杉の丸太橋を恐る恐る…
落ち葉に埋もれたトチの実や葉っぱに付いたアシナガバチの巣も見付けました。
キノコも色々。
ムキタケにツチスギタケ?
キノコは似ている物も多いのでちょっと…
ねじねじの木。
ではなく、以前は太いフジが絡みついていたため、こんな形に成長してしまいました。
オオバボダイジュの実は、細長く大きな苞がプロペラのような役割をしてクルクルと回りながら落ちてきます。
ビジターセンター周辺は落葉が進み初冬の面影さえも感じられるようになりましたが、里山の秋はこれからが本番です。
触ってみたり匂いを嗅いでみたり、色々な形で里山の秋を体感してみてはいかがでしょうか。
くどう