8月22日、爽やかな初秋の風が吹く青空の下「コケ・シダ・トンボの楽園でミクロの世界へ」の下見に行ってきました。
蓬莱境に向かう途中、大深沢展望台からは鳥海山や、写真では分かりにくいですが遠くは月山まで望める好天です。
これまで雨が多かったので、蓬莱境ではどんな光景が待っているのか楽しみになります。
蓬莱境の駐車場で青空を見上げると、細く月が輝いていました。
イベント当日は新月、これから月はどんどん細くなっていきます。
岩と苔むした古木のトンネルをくぐって神秘の世界へと足を踏み入れます。
八幡平の原始の姿が残るといわれる森が待っています。
岩の上に立つ古木からの木漏れ日に、その下にある木々の葉が鮮やかに輝いています。
大岩と古木に覆われた蓬莱境ですが、時折空が開ける場所も。
そんな場所に見えた、たわわに球果を着けたオオシラビソ。
岩を抱え込むように伸びた木の根と、それを覆いつくさんばかりにコケが生えています。
何種類ものコケが生えては枯れ、生えては枯れを繰り返して厚い層を作り上げていて、そっと触れるとふかふかで心地好い感触が伝わってきます。
ミズゴケにシッポゴケ。
美しいコケたちを見ていると、周囲から小鳥たちの声が聞こえてきます。
声はすれども姿は見えず…
ですが、それも良いもので自然の中に溶け込んだ気分になれます。
コケの中に小さなキノコも。
今シーズンは雨が多かったせいか、何処をとっても生き生きとして見えます。
緑の森の中で、小さくても目立っているのはタケシマランにアカモノ、ゴゼンタチバナの実。
可愛らしいですね。
蓬莱境を抜け、今度は蓬莱沼へと向かいます。
木陰のノリウツギはこれから花を咲かせようとしていました。
ビジターセンターのある大沼付近では既に花が終わってしまったノリウツギですが、環境が違うと開花の進行速度も変わってきます。
日差しに照らされた葉の下に色鮮やかなベニバナイチゴの実。
足元の草の中にヤマアカガエル。
本人は隠れているつもりなのでしょう、ジーっとして動きませんが丸見えです。
今度はアズマヒキガエル。
くどーさんは、俄然テンションが上がってきました。
可愛いぞっ!
蓬莱沼が見えましたが、雨で増水していて畔に下りることが出来ない状態…
これも自然とはいえ、困りました…
何とか近づいて目を凝らすと、二ホンイモリが息継ぎに水面に上がってきました。
めっちゃ可愛いじゃないですかーっ!
お母さんを必死に追いかけている内にぬかるみに入ってしまったのかな?
小さなツキノワグマの足跡が残されていました。
こちらはオタマジャクシ。
黒っぽい大きなオタマジャクシはアズマヒキガエルのようです。
そして少し緑がかった色合いのオタマジャクシはモリアオガエル。
いつもならモリアオガエルはカエルになって水から上がる頃なのですが、今シーズンは少し遅れているようです。
駐車場に戻るとウラギンヒョウモンがアザミの上で蜜を吸いながら待っていてくれました。
今回の下見では蓬莱境の美しさと沢山の生き物たちに出会うことが出来ました。
蓬莱沼は増水で畔に出て景色を満喫とはいきませんでしたが、その時々にしか見られない光景を見られたと思っています。
自然はいつも同じじゃないと改めて実感しました。
イベント当日は、どんな光景が見られるのか楽しみです。
くどう