
連日の猛暑に加え台風の影響で非常に暖かく湿った空気の流れ込む8月2日、八幡平で最も古くに通ったとされる登山道を歩き夏の盛りを彩るタチギボウシに逢いに「八幡平古道トレッキング」を開催しました。

蒸ノ湯を出発して季節の花々を見ながら進む森の中、見つけたのはウドの花。
皆さん、食べた事はあっても花を見る事は無かったようです。

大谷地の畔は、ツキノワグマによって群生するミズバショウがあちらこちら踏み倒されています。
この夏は暑すぎてミズバショウの実が成熟する前に腐って落ちてしまい、実が少なかったのでクマたちも夏を乗り切るのが大変なようです。

皆さんが撮っているのは…


モリアオガエル。
大人はキヌガサソウの葉の上でお休み中。オタマジャクシからカエルになったばかりの小さいのは葉の上を辿って森へ向かう途中のようです。


オオバタケシマランの実が可愛らしく揺れ、エゾアジサイの青い花が涼し気です。


空を映す長沼の水面にネムロコウホネが黄色の花が揺らぎます。

沼の北側の湿原にはアブラガヤ、タチギボウシ、トウゲブキ、ドクゼリが風に揺れています。

長沼を過ぎ、辿り着いたブシ谷地は群生するタチギボウシが花盛り。


盛夏を彩るタチギボウシの群生も今回の目的の一つ。
湿原を埋め尽くさんばかりの紫の花に、皆さんのテンションも上がります。


さてさてブシ谷地を過ぎるとこのコース最難関が待ち受けています。
急登が続き、設置されているロープに摑まって登る場所も。
なかなかのアドベンチャー感で、真夏の暑さの中では大変な場所ですが、登り切ったらお昼休憩にするから頑張って!

オオシラビソの木陰でお昼休憩。
この後の、緩やかだけどだらだらと長い登りに備えてエネルギーチャージです。


背丈ほどの笹に囲まれた登山道を歩き続け、漸く展望が広がる草の湯分岐に到着。
目の前に八幡平の稜線が望めます。


ここからは標高の高い場所に広がる山地高層湿原の様子を見ながら八幡平山頂を目指します。
タチギボウシの花に加え、ウメバチソウなどの晩夏の花も咲き始めています。

イワショウブの小さく可愛らしい花。


咲き誇るタチギボウシに夏の盛りを感じつつも、既に黄色くなり始めたコバイケイソウやイワイチョウの葉に初秋の気配さえ感じられます。

かと思えば、初夏の花を代表するニッコウキスゲが咲いていたりと、湿原は大忙し。

道沿いのあちらこちらにアオモリアザミが花開こうとしています。

八幡平山頂到着。

暑い中、長い行程を頑張った皆さんで記念撮影をして見返り峠駐車場へ向かいました。
皆さん、良い笑顔です。
今回のイベントは暑い中で汗を流しながらの行程でしたが、涼し気な長沼、八幡平山腹部のブシ谷地のタチギボウシ群、山頂付近の湿原の様子を楽しむ事が出来たのではなかったかと思います。
八幡平登山を多くの人に楽しんで貰う為に先人が切り開いた登山道は見どころいっぱいでした。
流した汗に、歩き切った達成感を覚える、そんなイベントでもありました。
くどう