5月29日、晴れ渡る空の下、そよ風と柔らかな緑の心地好いブナ林の中を歩いて「長沼新緑トレッキング」の下見を行いました。

ここ数日の好天のお陰で、鮮やかな新緑のブナ林を歩くと落ち葉がサクサクと小気味好い音が響く足元には顔を出したばかりのブナの実生がいっぱいです。

林床に残されていた雪が消えるのを待ちわびていたかのように植物たちが次々と姿を現します。
オクエゾサイシンも丸い花を咲かせていました。

雪消えを待っていたのは植物だけではありません。
大きなヤマナメクジや小さなジムグリも活動中。
花も緑も良いけれど、やっぱり山は生き物がいないとね。

新緑に囲まれた大谷地はこの間まで枯草色だった湿原が緑掛かり、ミズバショウやショウジョウバカマが花盛り。

湿原の池塘のそばに一人佇むカルガモさん。

大谷地から先はまだまだ雪が多く残り、少し空気がひんやりと感じられます。
柔らかな新芽を求めて歩き回ったのでしょう、湿原を取り囲むブナ林の残雪の上にニホンカモシカの足跡が残されていました。

冷たい雪解け水の溜まった場所にはクロサンショウウオの卵塊が。
山のあちらこちらで命が育まれています。

林床でも雪解けの早い場所から花々が咲き始めています。
タケシマランをしゃがんで覗き込むと、裏側に小さな花がぶら下がって並んでいます。
皆さんが気になるキヌガサソウは幾つか花が見え始めたばかりですが、木漏れ日を受けて眩しくかがやいています。
サンカヨウは可憐な花を見られるまでにはもう少しかかりそう…

森の中に静かに佇む長沼は新緑に包まれ始め、満々と湛えた水面を波立たせながらそよ風が渡っていきます。
ブナと、それよりも遅く芽吹く木肌が白く見えるダケカンバ、オオシラビソやコメツガなどの針葉樹の濃い緑のコントラストが特徴的な長沼の春です。

沼の南側ではミズバショウが見頃を迎え、キヌガサソウは姿を現したばかり。
キヌガサソウの群生が見頃になるのが楽しみです。

未だ林床のあちらこちらに雪の残る状況が続いてますが、季節は着実に進んでいます。
植物も生き物も賑やかになる季節。
イベント当日はどんな光景が待っているのかと思うとワクワクが止まりません。

     くどう