
里は桜の花がピークを迎えましたが、山には未だに多くの雪が残されています。
ゴールデンウィークを迎えて八幡平を訪れる方々も増えてきました。
春の穏やかな気候に雪解けの進む大沼と八幡平山頂付近の状況をお知らせします。

大沼の解氷は日毎に進み、開けた水面を少し冷たく心地好いそよ風がさざ波を立てながら渡って行きます。


鳥たちの動きが活発になる時期。
水面にはカルガモ等の水鳥が遊び、芽吹きの遅い林の中ではカラの仲間を始めとする留鳥が忙しく飛び回る様子が見られます。
姿こそ見られずにいますがウグイスの声も聞こえていますので、そろそろ夏鳥たちがやって来る頃です。
可愛らしい姿に会える事が楽しみな季節です。

周囲の木々より早く動き出すナナカマドが林縁の明るい場所で漸く芽吹いてきました。

まだまだ大沼を取り囲む湿原のほとんどが雪に覆われていますが、一足早く雪が消えた場所にエゾノリュウキンカとミズバショウが顔を出しています。
この後も湿原の雪が消え次第、花が咲いていく事でしょう。
日々、春の色合いが増してゆく様子に心がウキウキします。


八幡平ビジターセンターから雪の回廊のアスピーテラインを車を走らせて八幡平山頂へ向かうと、大深沢展望台で一気に視界が開けます。
残雪と黒く見える木々が特徴的なこの時期の景色ですが、お天気が良くなり気温が上がると空気中に多量に水分が含まれるので山並みが青く見えるようになり、その絶景に感動すること間違いなしです。
ただ、山岳道路でカーブが多く道幅も広くはありませんので、路上駐車しての回廊の撮影などはお止め下さい。

そして皆が気になる鏡沼。
まだまだ雪が厚く、漸く水が滲み出て来たばかり。
きれいな縁取りの形成には、もう少し時間が掛かりそうです。
今年のドラゴンアイがどんな感じになるのかは、山の神様のみが知るところです。

隣のめがね沼も水が滲み出て来たばかり。
周囲には先日降った新雪が残っていました。

八幡沼も厚い氷に覆われてまだ雪の中。
周りにはオオシラビソの樹林が広がり、風の音だけが聞こえてきます。
湿原の姿が現れるのは当分先のようです。
鏡沼を含める山頂周辺を散策される場合は、長靴や防水の登山靴が必要ですのでご注意を。
大沼も八幡平山頂付近も残雪の量を見ているとまだまだ春とは名ばかりといった気もしますが、季節の移ろいは着実に進んでいます。
待ち遠しく思っていた花々が咲き誇る季節まで、あとどれくらいでしょうか。
とは言え、まだ八幡平は雪に見舞われる日が訪れる事があり、アスピーテラインは夜間通行止めが続き、場合によっては終日通行止めになる場合があります。
お越しになる際は必ず道路情報をご確認の上お出かけください。
くどう