青空が広がり林床に春の日差しが届く4月26日、ひんやりとした谷風が心地好い志張ふれあい散策路で「志張の森自然観察会」を開催しました。
開き始めた赤いハウチワカエデの花が風に揺れています。

まだまだ林内は見通しが良く殺風景に感じられますが、木々は芽吹きの季節を迎えました。
キブシが房状に着いた花を揺らし、クロモジはレモンイエローの花を咲かせるまでもう少し。

この日は双眼鏡も使って色々なものを観察。
覗いているのは…

大きなカツラの小さな花。
一つ一つは小さな花ですが、花のピークを迎えると木全体が赤く見える程です。

拾ったのはツルアジサイのドライフラワー。
花が終わった後も、そのままの形で残されています。

残雪の上に落ちていたのはサワグルミの実、ブナの殻斗。

水の流れの近くから聞こえる一際大きな囀り。
目を凝らして探して見つけたのは近くの枝にとまったミソサザイ。
日本では最も小さな鳥の部類に入るのですが、スズメよりも小さな体で激しい水の流れの音に負けない大きな声が辺りに響き渡ります。

高い木の上で囀っていたのはヤマガラ。

ビジターセンターのある大沼周辺ではまだまだ先になりますが、オオカメノキの葉が広がり始めていました。

まん丸の朔が可愛いタマゴケ。

この時期気になるフキノトウ。
雄株と雌株の違いを観察。

ヤマザクラは蕾が膨らんで僅かにピンク色が覗いています。

小さなミズバショウは真っ白な苞を広げています。
冬の間、大切な花序をギュッと抱いていたので、広げた苞に花序の形が写ってぼこぼこしている様子も可愛らしいと思いませんか?
花は漸く雌しべが顔を出してきたばかりでした。

惨劇…
キツネかテンに襲われたのでしょう、散乱するカケスの羽根を発見。
食物連鎖の一端を垣間見た瞬間です。

そしてお待ちかねのスプリングエフェメラル。
エンレイソウやキクザキイチゲ、カタクリが春の日差しを受けながら風に揺れる様子は、まさに林床に踊る春の妖精のようです。
賑やかに咲き誇る様子に、心も軽やかになるそんな光景でした。

今回のイベントはゆっくり、のんびりと春らしくなってきた志張ふれあい散策路の様子を見て歩くことが出来ました。
僅かに残った雪の上の去年の名残と新しい季節の始まりの両方を感じられるこの時期は、どんどん活気づいていく森の様子を想像するとワクワクします。
だいぶ賑やかになってきた志張の森も、これからが春本番。
木々の芽吹きも花々の開花も更に進む事でしょう。
カタクリの花もゴールデンウィーク中は楽しめると思いますので、お近くの方は是非足を運んでみて下さい。

     くどう