
今年は雪が多くて、春山除雪が少し早めに始まったと聞いています。天気予報の通り快晴、本日の予定は先週八幡平の見返り峠にスノーモービルのトレースがついていたのですが、その入り口がどこなのか、黒谷地湿原付近でその確認ができれば、と思っています。

登山道わきのヤナギの冬芽が開き始めていました。風もない穏やかな青空のもと、もう春なんだとつくづく思ってしまいます。

眼下にはアスピーテライン上に除雪車両が集結していました。今日から春山除雪が始まるのでしょうか。

目指す茶臼岳と避難小屋がくっきりと。ただし、今日は黒谷地湿原方向に出かける予定なので時間短縮のため、寄らないかもしれません。

オオシラビソたちは重たい雪布団を落として身軽な姿になりつつあるようです。

恵比寿森に到着。西側の斜面にはやはり、スノーモービルのトレースがついていました。

数日前のトレースのようです。ただ、この場所は規制区域外の可能性があります。問題はこの場所からトレースが国立公園の特別保護地区内の黒谷地湿原に延びていないか、また、このスノーモービルはどこから入っているのか、ということが私たち的には問題なのです。

西側に残るスノーモービルのトレースは黒谷地湿原方向に延びていました。この辺りはグレーゾーンですが黒谷地湿原まで行くと自然公園法違反ということになります。このトレースはツリーホールに一台がはまってしまい、どうやらもう一台がけん引した跡のように見えます。

黒谷地湿原の手前で畚岳がば~んと見えてきました。畚岳周辺はまだ雪が深いようで、白一色の景色です。

さて、今まで黒谷地湿原方向にまっすぐに伸びていたトレースは直前で右のほうにずれて進むようです。

トレースは安比川最上流部の沢に続いていました。

どうやらこの場所がスノーモービルの進入口のようで、黒谷地湿原の北側、安比川を沢伝いに来て、ここから戻ったもののようです。この方は国立公園のスノーモービル乗り入れ禁止区域のことを知っている方のようで、現状では明確な違反行為ではないようです。

そして今度は本命の見返り峠の残っていたスノーモービルのトレースが黒谷地湿原入口のアスピーテラインを通っているかの確認です。
今年の雪の多さを感じる景色が続きますが、雪にすっぽりと隠れた黒谷地橋まで来たときに、ほとんど雪に隠れて見えなくなったトレースが黒谷地橋を渡り、見返り峠方向に続いていました。この方の進入口は不明ながら、自然公園法の違反行為ということになります。

スノーモービルの進入口と思われる場所には計4カ所に8枚の規制看板を取り付けていますが、この方の進入口は不明です。

何はともあれ、現場の確認作業を終えて戻りの行程です。ラッセルはほとんどないとはいえ、結構歩きました。それでもこんな日はこの眺望がご褒美です。遠くから響く春山除雪のエンジン音が雪深い八幡平の春の足音の様に聞こえてしまいます。今年は悪天候で何度か引き返した経験があるので、余計に心地よい響きに聞こえてしまいます。

アスピーテアイン上には先頭にバックホーのガンガンという音、ローダーとロータリー除雪車が続いています。除雪初日の行程はどれくらい進んだのでしょう。

我々の冬山巡視は、残り茶臼岳の5回目を残すのみとなりました。曇りよりは、晴れて青空が広がればいいし、できれば風がなくて寒くなければ最高です。次回最終回は茶臼岳冬の終焉を見届けて、春の始まりを見たいものだと思います(青空バックで)。
あべ