今年2回目となる八幡平山頂の巡視。秋田八幡平スキー場から見える山々はガスに覆われており不安はありますが、登りは頼もしい地元鹿角市山岳会の方々と山頂を目指していきます。

 2月末はかなり早めの雪解けが進み、もしかしたら八幡平の雪がなくなってしまうのでは⁉と思ってしまいましたが杞憂でした。膝上まですっぽり隠れるほどの積雪があり、まだまだ厳冬期の八幡平は健在でした。

オオシラビソやダケカンバにはぎっしりと霧氷ができあがっていました。

 ガスが濃くなってきましたがそれもまた寒冷地の雪山の宿命。鹿角市山岳会の方々が設置してくれた標柱がとても安心感を与えてくれます。きっと私たちのほかにも助けらた人も多いことでしょう。

 強風で折れたり倒れたりしている竹竿が何本もありました。開けた場所だと風が強いため新品の竹竿でもひとシーズンも経たないうちに折れてしまいます。感謝と敬意の念を込めながら倒れかかっている竹竿を治します。

山頂の展望台に着きました。300番の道標を見ると達成感があります。

 陵雲荘で荷物を軽くし、源田森の北側を経由して巡回していきます。今季のものかは分かりませんが樹氷が崩れ落ちて折れたり傾いたりしたオオシラビソの木々があらわになっています。

やはり源太森はひときわ風が強く感じられます。

 2日目の朝は風も強く濃いガスも出ていましたが、陽の光は暖かく吐く息も凍りそうな寒気をわずかばかり忘れさせてくれます。

深く大きなツリーホールがいくつもあり、迂回しながら進みます。

 鏡沼を経由し、見返峠方面へ進みます。前回来たときはクラックや雪庇が確認されましたが今回は雪で隠れてしまったのでしょうか、視界不良のせいでしょうか確認できませんでした。

パークサービスセンター前の舗装路まで来ました。風が強く路面があらわになっています。

 こちらはパークサービスセンター。盛り上がった雪はすべて吹き溜まりによるものです。簡単に屋根に登れてしまいます。

 太めのBCスキーを履いていても膝上まで沈んでしまうパウダースノーをかき分け前へ前へと進みます。GPSで位置確認をしないと迷子になってしまいそうです。

 撤収時、ご褒美でしょうか、わずかばかりですが一瞬青空が顔を覗かせてくれました。今回は乗入禁止区域にモービル跡は確認されませんでしたが巡視はまだ続きます。

 樹氷はほぼ全てが落ちてしまいましたが、八幡平の洗礼を受けまだまだ厳冬期だなと思い知らされると同時にまだまだ冬の八幡平を楽しめるぞという気分にもさせられます。

  いちたろう