里は、冷たい空気と冬の日差しが心地好い2月24日、「オオシラビソ植生密度日本一! 登山者の聖地・樹氷原を歩こう」を開催しました。
暖冬のこの冬、雪も少なく樹氷の様子が気掛りですが、先ずは登ってみない事には始まりません。
3時間、頑張って歩いた人だけが見られる美しい光景が待っているはず。
真冬の八幡平山頂を目指して出発です。

スキー場のリフトから見下ろすブナは霧氷に覆われ、日差しを受けて輝いています。

登山口までは霧氷を纏ったブナやダケカンバたちを眺めながら。
目にも眩しい霧氷が青空に良く映えます。

登山口からの急坂を一歩ずつゆっくりと。
例年よりも積雪が少なく、今回はいつもの年より急に感じたのは私だけでしょうか。

急坂を登り切ったところで霧氷の様子やウサギの足跡を観察しながらの休憩。
辺りを見回すと、ダケカンバに混じるオオシラビソの割合が増えてきました。
こんなに良いお天気の中を綺麗な景色を見ながら歩けるのは最高です。

長い登りとなると足元ばかりに視線が向かってしまいがちですが、色々なところに目を配りながら歩かなくては。
空には彩雲も現れ、私たちを歓迎してくれています。

こちらも私たちを歓迎してくれているのでしょうか。
「ガァーガァー」と少ししわがれたような声の方向を見るとホシガラスの姿。
美しいまだら模様を暫し観察。

雪が少ない分、背の高く見えるオオシラビソの間をゆっくりと。
おや?なんだか空が少し暗くなってきたぞ。

背丈の低いオオシラビソに、崩れかけの球果が残っているのを見つけました。

徐々に白くなっていくオオシラビソたち。
空は雲に覆われてしまいましたが、時折届く柔らかでありながら眩しい光の中に美しい光景が広がります。

暖冬の影響なのでしょうか。
今年のスノーモンスターたちはスリム過ぎるくらいスリムな方々が多いように見受けられます。
これも一期一会の山の景色と思うと感慨深いものがあります。
激痩せスノーモンスターたちの間を一歩ずつ。

冬の示道標300番を目視できるようになると、そこには先行者の方々の姿が。
間もなく八幡平山頂です。
「よく来たね」とこちらを見下ろすモンスターたち。

気が付けば雪になっていましたが八幡平山頂は目前です。

山頂展望台で「頑張った記念」の撮影。
ゴーグルやサングラスをしていても伝わってくる良い笑顔。
周りを取り囲むモンスターたちも大歓迎してくれています。

山頂を越えたら八幡沼の畔に建つ陵雲荘を目指します。
が、美しい光景に度々足が止まってしまう皆さん。
その気持ち、良ーく分かります。
どこまでも続く、植生密度日本一のオオシラビソ林の絶景がそこにあるんですから。

八幡沼の景色とを眺め、陵雲荘で昼食を済ませて、美しい光景に名残惜しみながら帰路に着きます。

「また来てね」と、お見送りのモンスターたちの声が聞こえた気がして、「また来るよ」と声を掛けながらの下山となりました。

今回のイベントは、朝は晴れやかに、山頂付近ではモノトーンの世界となりましたが、日が差したり陰ったりする度に雪もオオシラビソの緑も明るく変化したり濃く変化したりと、その色彩に驚かされてしまいました。
カラフルなモノトーンの世界といったところでしょうか。
スノーモンスターたちは少し痩せてはいましたが迫力は十分。
見応えがあり、「また見に行かないと」と思わずにはいられませんでした。
また来年、頑張ってスノーモンスターたちに逢いに行かないとですね。

     くどう