前日の雨が上がり、辺りが霧に包まれた5月20日、「e-bike」で国立公園を走ろう&自然観察 後生掛の森コースを開催しました。
電動アシスト付き自転車でアスピーテラインを快走し、自然観察も楽しんでしまおうという企画です。
新緑のブナも静かに立ち込める霧に包まれ、ひんやりとした空気が心地好く感じられる中を出発。
「e-bike」が初めての方も難なく坂道を駆け上がります。
その軽快さに、笑顔が止まりません。
本当は青空の下で走りたかったのですが、少し冷たい霧が頬を撫でていくのが気持ち良く、霧に霞む景色も幻想的です。
自転車を止めて自然観察。
焦点距離の短い双眼鏡で、少し離れた対象物の観察も楽々。
霧を集めた雫を蓄えたハウチワカエデやオオバクロモジが花を咲かせ始めています。
後生掛の森に到着すると、深緑のブナがお出迎え。
森の中では双眼鏡が大活躍。
装飾花が開き始めたばかりのオオカメノキ、ミヤマカタバミ、オクエゾサイシン、タケシマランなどをじっくりと観察。
ブナ林の中をゆっくりと歩くと、残雪の上に見つけた去年のブナの実と芽鱗。
秋と冬と春を一度に見る事が出来ました。
少し霧が晴れて来るとキクザキイチゲの花が開き始めてきました。
少し古いものですが、ツキノワグマのマーキング。
後生掛の森は冬のスノーシューイベントで立ち寄りますが、積雪に隠れて見られなかった部分が見られるようになりました。
ツキノワグマも生息する豊かな森を少しだけですが体感して貰えたのではないでしょうか。
流れの傍にはミズバショウとエゾノリュウキンカたち。
漸く現れた日差しに眩しく見えます。
後生掛研究路も少し歩いてみました。
あちらこちらで、マッドポットがボッコンボッコン。
大湯沼に到着すると青空も見え始めました。
大湯沼の水色、ブナの新緑、オオシラビソの濃い緑、残雪の白、空の青、雲の白と、全てが相まって、春らしい美しい景色を見せてくれます。
大湯沼、国見台をバックに記念撮影。
激しく泥を噴き上げるマッドポットの様子も迫力満点です。
見上げた木は仲の良い?ミズナラとダケカンバ。
ミズナラの根元に着生したダケカンバの伸ばす根が特徴的です。
散策を終えて再びe-bikeでアスピーテラインを。
下り坂を風を切って走りビジターセンターへ戻りました。
今回のイベントは、朝から霧に覆われる中での開催となりました。
それでも、所々で自転車を止めて霧に濡れた花々を観察出来たり、新緑のブナ林の雰囲気を味わう事が出来ました。
車と違って、自然を肌で感じながら移動出来るのが何よりも楽しい体験。
今後もe-bikeを使ったイベントがあるので、チャンスのある方は是非ご参加ください。
くどう