4月24日、雪の為アスピーテラインは通行止め、ビジターセンターのある大沼周辺も朝から雪に白く染まる天候の中、29日に開催予定の「カタクリ満開 春の妖精たちを探そう」の下見に行ってきました。
春の妖精たちは待っていてくれるかな。

志張温泉元湯の御主人が整備した「志張ふれあい散策路」。
一部に、かつては国道として利用された場所も含まれていて、この狭い道路を沢山の車が行きかっていたそうです。
この春の早い雪解けに、残雪はほんの少しだけです。

雪が舞ったり止んだりの天候の中、木々は芽吹き始め、花を咲かせているものもあります。
トチは冬芽の芽鱗を脱ぎ捨てて新芽が伸び始め、オオバクロモジは淡いレモンイエローの花を咲かせ始めています。

いつもより早くカタクリが咲いたと情報を頂いていましたが、どこを見てもカタクリだらけ。
お天気が悪くて開いてはいませんが、今が見頃であろう物から、これから咲く物、漸く蕾を膨らませたばかりの物と様々で、その数に圧倒されてしまいます。
晴れないかなぁ…
エンレイソウも雫に濡れながら花を咲かせていました。

標高が低いの逢って、大沼周辺よりも樹種が豊富なのも魅力の一つ。
大沼では未だに蕾のオオカメノキが葉を展開し始め、カツラは花が終わって可愛らしい葉が、キブシは房状の花を風にゆらゆらと揺らしています。

賑やかな小鳥たちの声に見上げると、枝に留まるキセキレイ。
そりゃあ、翼があるから飛ぶし枝にも留まるだろうけど、セキレイといったらチョコチョコと走り回るやつでしょ。
と、勝手なイメージから一人ツッコミ。

足元にはキクザキイチゲが日の光を待ち、ブナも芽吹き始め、ハウチワカエデは赤い花を葉に隠すように、イタヤカエデも黄色の花を空に向かって咲かせています。

遠景だと、ヤマザクラも混じってこんな感じ。
もう少し周囲の木々の芽吹きが進むと、色々な緑や黄色に赤と色彩豊かな春紅葉の光景が山肌に展開されます。

マルバマンサクはひっそりと花を咲かせていました。

僅かに残った残雪の上にも様々な物が見られました。
ミズナラのドングリにブナの殻斗と実と芽鱗、サワグルミの実、ヤマブドウ、濡れているけどツルアジサイのドライフラワーと盛り沢山です。

ホオも芽鱗を脱いで葉を展開させようとしていました。

見頃を迎えたヤマザクラ。
イベント当日は、この花を眺めながらお弁当を食べるのも良いかも…

ネズミが食べたオニグルミ。
観察対象がいっぱいで、上を見たり下を見たりと大忙しです。

川原に下りると砂の上にニホンカモシカの足跡。
ツキノワグマの足跡も見られる事があるのですが、今回は残念ながら見つける事が出来ませんでした。

バッコヤナギの花の見頃はもう少し先のようです。

後ろに居る彼女を誘う様に何度も振り返りながら、枝から枝へと移動するシジュウカラ。
春ですね~
彼女がなかなか着いてきてくれないのが切ない…

散策路の中でも、少し移動するだけで花の状態が違うので、その分長く花の時期を楽しめます。

ほんの少しの間ですが、日が差すと花を開かせようとする様子も見られました。

根を出し始めたトチの実は、無事に発芽して大きな木に慣れるのでしょうか。
ツノハシバミの雄花は芋虫みたい。
と、ほんとに上を見て下を見てと切りが無い…

逆光の中の影はエナガ。
慌てて撮ったのでピントも合っていません…
「ジュリリリ、ジュリリリ」と鳴きながら枝を渡って行きました。

そして、物陰に隠れながら移動するヤマドリ。
本人は上手く隠れながら静かに移動しているようですが、残念ながら丸見えでした。

今回の下見は生憎のお天気でしたが、それでも木々の芽吹きと沢山のカタクリを始めとする花々に出逢え、里山の春を感じ取る事が出来ました。
春の妖精たちと鳥たち。
紹介しきれませんでしたが、着実に進みゆく季節を実感させてくれるもので満ち溢れていました。
今度は、良いお天気の下で逢いたいですね。

     くどう