厳冬期の八幡平に現れる「モンスター」樹氷群は、3時間歩いた人だけが会える絶景。地元の山岳会の皆さんが通した冬のルートを歩きます。
昨日の午前中は天気が良かったようで、大勢の人たちのトレースが残っていました。今日の天気については期待はしていなかったのですが、少しだけでも青空が広がってくれれば、とは思っていました。
鹿角市山岳の皆さんは、本日も竹竿のメンテナンスとのことで同行させてもらっています。
ふけの湯休憩所の看板はこの通り、雪が多い年は頭にぶつかるくらいの高さの時もありましたが、雪面から2mほどの高さがあります。風の向きによって雪の付き方は変わるので、一概に雪が多いとか少ないとかは言えないようです。
指導標”174番”のあたりを通過。私たちの後にはスノーシューを付けた2グループ、8人ほどの人たちが続いています。そのうちの1グループは宮古市からの方たちでした。
八合目の田代沼を通過したころから視界はいよいよひどくなってきました。それでも竹竿の位置から、進行方向に1本か2本の竹竿が見えています。すでにこの辺りは樹氷原が広がっているのですが、残念ながらその姿を見せてくれません。
立ち止まって進行方向の竹竿を見ています。山岳会の皆さんによると、本日が5回目の作業で、3回目に陵雲荘まで行けた。とのことでしたが、1回だけ青空が広がった日があったそうで、それ以外はすべてこんな天気だったそうです。
視界は50mほどでしょうか。白い世界、ほんとはそこに広がっている”植生密度日本一”の樹氷原があるのですが。見渡す限り真っ白の世界です。
この旗を見て戻った人はいるのでしょうか。確かに頑張ってここまで来たけど、もう少し!山頂までは行きたい!と思うのでしょうけど。
戻ろうかな、と思ったところに今度は”日本一の樹氷原に続く”と書かれていたら、行きたくなりますよね。
八幡平の山頂直下、指導標”300番”が正面に見えているはずなのですが・・・
ようやくたどり着いた八幡平山頂です。
山頂から陵雲荘に向かうと、平らな雪面に竹竿がまっすぐ、つながっています。
雪で覆われたお菓子の家のような避難小屋”陵雲荘”に到着です。昼を少し過ぎてしまいましたが、ここで昼食です。
どこやら、ほっとした表情の山男たち。
入口への通路はこの通り。利用者の痕跡は全くありません。
入口のドアも雪に覆われて、スコップで雪かきをしてから中に入りました。
ストーブを焚きました。火が見えて、パチパチと薪の燃える音がありがたく、我々だけの貸し切りがもったいないほどでした。
樹氷は大丈夫、あとは天気だけが心配。朝からの青空までは期待しません。昨年、悪天候で田代沼で引き返したこともあり、山頂周辺の”植生密度日本一の樹氷原”を皆さんにちょっとでもいいから見せていただきたいものだ。と思っています。
あべ