2月1日の朝、冬期事務所周辺は時折チラチラと雪が舞う様子が見られる程度でしたが、山へ向かうと辺りは細かな雪が横殴りに吹き付ける吹雪。
予報よりも早目に天気は崩れてしまいましたが、環境省補助金事業「スキーハイクで冬山さんぽ・〈初・中級〉山毛森コース」の下見を行いました。

雪と風に曝されながら、真っ白な秋田八幡平スキー場のゲレンデをスタート。

ブナ林に入ると、枯れたツルアジサイに雪が積もり始めていました。

どれ程の年月をこの場所で過ごしてきたのでしょう。
幹の上部が折れてしまったブナは、残った枝が生命線。
もしも、冬の間に雪で折れたりしたら、そこで命が尽きてしまう事になります。

雪は降り続いていますが、風を感じることなくブナ林の中を進みます。
聴こえてくるのは自分の息遣いだけの、幻想的な静寂が支配する世界です。

木々も、そこに掛かったクマ棚も雪に包まれてしまっています。

視界が開けたその場所はアスピーテライン。
2mを超える雪が積もった道路には、車も人も、クマの姿もありません。
当たり前か…

再びブナ林に入ると雪も小降りになっていました。
この辺は、比較的にスラッとした木が多い場所。
同じブナ林の中でも、太く大きな木がある場所や若い木が多い場所があって、様子を見比べながら歩くのも面白いです。

「山毛森の主」にご挨拶。
大きく枝分かれした幹の真ん中に、たっぷりの雪を抱え込んだ様子が圧巻です。
あとは小さな斜面を滑ったり、沢をいくつか越えながら雪化粧のブナ林をスキー場へと帰るのでした。

今回の下見は天候には恵まれませんでしたが、雪に包まれたブナ林の幻想的な景色と静けさを体感することが出来ました。
また、姿は見えませんでしたが、静まり返ったブナ林の中に突如小鳥たちの声が響き渡る事あり、こちらも興味を惹かれます。
雪の降る中でしたが、木々の実や冬芽、地衣類などもたくさん見られましたので、当日のお楽しみという事にしておきます。

     くどう