1月29日、このところの寒波の影響で積雪が増し、前日からの雪で化粧直しした後生掛自然研究路を舞台に「真冬の大泥火山in後生掛」開催しました。
たっぷりの、フカフカで柔らかな雪がお出迎えです。

このコース、林間地帯と噴気地帯を一度に楽しむ事が出来るところ。
先ずは夏場は強い藪で立ち入る事の出来ない林間地帯を進むと、枝に残ったままのブナの殻斗が。
その中に、堅果が一つ残っている物を見つけ、皆さんで観察。
この堅果、動物たちに食べられてしまうのか、食べられずに残って発芽出来るのか、無事に大きく成長出来るのか、ちょっと気になるところです。

日が差すと新雪が煌めきを放って目に眩しい程。
真っ白な雪面に伸びる木の影も、どこかしら芸術的に見えます。

高台から見下ろす噴気地帯。
「あそこを通って大泥火山を見に行くよ」と。

先ずはこの高台を下らないと。
ゆっくりと慎重に下って…
あちらこちらで転倒者が続出。
なんだか凄い事になってしまいました。

噴気地帯の入り口に立つと、モッチリ、モッタリとした美しい雪の造形が。
地熱が伝わったり、噴気が出ていたり、周辺で湧き出したお湯が混じる小川が流れているからこそ作り出される、後生掛ならではの独特な雪景色です。
思わずスマホを取り出して写真を撮りたくなります。

ゆっくりと眺めていたくなりますが、他にも見て頂きたいものが沢山あるので次へと進みましょう。
軽く2mを超える雪の積もった橋を渡り噴気地帯の中をゆっくりと歩くと、純白の雪の上を影もゆっくりとついていきます。

遠くに大泥火山が見えてきました。
誰かが、今年の大泥火山は元気がないと言っていたので、今日は皆で大泥火山を励ましてあげようと、スタッフ含め総勢16名が向かいます。

今は雪に覆われていますが、雪のない時期に見ると地下深くから湧き出した泥が堆積して山のような形をしています。

とりあえず、今の状態を撮影して記録?
で、声を掛けてあげると、それに答えるように「ボコッ、ボッコン」と泥を噴き上げてくれました。
先ずは一安心といったところでしょうか。

次は、「シューッ」「ボコボコ」「グツグツ」とあちらこちらから噴気やマッドポットの音が聞こえる噴気地帯の中を通って大湯沼へ。
音と匂い、景観を楽しみながら一歩ずつ。

今も活発に活動が続く大湯沼。
せっかくなので、少し近くへ寄ってみると、大きなマッドポットからは泥が跳ね上がるように噴き出していました。
今立っている場所は、元は湯沼の中。
大湯沼は激しく活動をしながら、徐々に西側へと移動しています。
でも、いつの間にか降ってきた雪と湯気で何も見えないのだが…

「じゃあ、上から見てみよう」と高台に登ったものの、そこに広がる雪原を見たら駆けだしたくなりますよね?
横一列に並んで、一斉にスタート!
スピードはともかく、元気にスタートした皆さん。
いったい、何処まで行くのか…

着いた場所は大湯沼の西側の端。
活発な活動と共に西へと移動を続ける大湯沼の最先端でした。
泥の混じったお湯が大量に湧き出して「ボッコン、ボッコン」と音が響き、大量の湯気が立ち昇る光景に興味津々の皆さんでした。

今度こそ大湯沼全体を見渡せる場所へ。
ハートの形の小島は、やっぷりと降った雪で少し形が変わっていましたが、それも自然の成り行きです。
いつも同じじゃないところが面白いのです。
この光景に、皆さん何を思うのか…

続いて登った屋根形山からは、噴気地帯が一望。
おとぎ話の世界のような景色が広がります。
ちょっとだけメルヘンチックになれたでしょうか?
こんな景色の中を歩けるなんて贅沢ですね。

そしてまた歩いてきた道を戻り、振り返ると参加者の皆さんが歩いたトレースだけが残されているのでした。

あ、忘れてました。
恒例のやつは写真を選びきれなかったのでダイジェストでお送りいたします。

冬のイベントでは尻滑りはかかせませんね。
賑やかな声を挙げて滑る人、静かに滑る人、ダイナミックに滑る人と様々でしたが、一つだけ共通していたのは、笑顔になれるという事でした。

今回は日差しもあったり雪も降ったりという天候の中でしたが、その一瞬一瞬で見られる光景がどれも違っていて、どれも綺麗なので、そういった事が参加者の皆さんの心に残ったくれたらなと、いつも思っています。
そして、柔らかな何とも言えない雪の感触は最高です。
雪は里では厄介者ですが、綺麗で楽しいものでもあります。
ちょっとだけ、一緒に出掛けてみませんか。

     くどう