連日の雪がまだ降り止まぬ12月19日、一気に降り積もった雪の中を25日に開催予定の「後生掛・大湯沼へ行ってみよう」の下見を行いました。

スタート地点の後生掛温泉に到着した時点では、雪雲の向こうに薄っすらと日の光も見えたので「もしかして雪に降られずに済むのでは…」などと淡い期待をしながら歩き始めました。

直ぐに空は暗くなり始めて淡い期待が打ち砕かれつつある中、サラサラの膝上はあろうかという新雪を漕ぎながら進みます。

沢山の実を枝先に残したコシアブラ。
黒の実の上に白い雪がこんもりと積もっています。

後生掛の名の由来となった伝説の残るオナメ・モトメは真っ白な湯気を濛々と上げながら激しくお湯が沸きだしています。

時折薄日が差すと、白く雪化粧した木々の姿が浮かび上がり、深雪の中を息を切らしながら歩きつつもその美しさに目を奪われてしまいます。
この一瞬が束の間の休憩といったところでしょうか。

噴気地帯に入って辺りを見回すと、例年のこの時期よりも地面の露出が少ない気がします。
地熱が伝わって雪を溶かすのですが、そのスピードを上回る勢いで雪が降り続けているという事なのでしょうか。

風の当たらない場所に立つ歩道の柵の杭も、しっかりと雪を纏っていました。

雪面から漸く顔を出していたナナカマドの赤い実も、綿帽子を被っていました。

腰や胸元まで達する場所もある深雪の中を漸く辿り着いた大湯沼。
お天気が良ければ背後に国見台がドーンと控えているのですが、いつの間にか降り出した雪に霞んでしまって姿を見る事が出来ません。

東屋の屋根にも早くも雪庇が出来ていました。

ミネカエデの枝先に残された種が、何処となく哀愁を漂わせている様に感じられます。

高台から見下ろす大湯沼。
しんしんと降る雪が、沼の西側で湧き出す噴湯の激しい音さえも吸収してしまうしずかな世界。

そんな静かに降りしきる雪の中、何処からか「クォーッ、クォーッ」とハクチョウの声が。
なにせ休まず降る雪の中では体の白い彼らを見付けるのは困難…
と、思いきや、頭上を何度も旋回して姿を見せてくれました。

毎日の雪かきで既に雪はうんざりと思っていましたが、山へ向かうとその厳しさばかりではなく冬ならではの美しさも感じとる事が出来ます。
お天気が良ければ輝きを放ち、雪が降れば墨絵のような世界が広がる自然美を堪能しに出かけてみませんか。

     くどう