8月27日(土)山は霧が立ち込め、お天気に不安も抱えながらでしたが「コケ・シダ・トンボの楽園でミクロの世界へ」を開催しました。
まあ、このイベントは雨が降っても開催するのですけどね。

蓬莱境駐車場は濃い霧に包まれ、周囲の木立の影がぼんやりと浮かび上がる幻想的な景色が広がります。

スタート時には辺りが少し明るくなってきました。

シシウドの鞘の中にムツヒダリマキマイマイ。
ゆりかごに包まれているようにも見えましたが、ただいまお食事中です。

大岩と古木の門をくぐって神秘の世界に足を踏み入れます。

岩に張り付くように伸びたヒカゲノカズラ。
茎を伸ばし、岩に着生する苔の中に根を張りながら成長していきます。

もう一匹、コケの上に見つけた小さなカタツムリは右巻き。
しかも、良く見ると殻には細かな毛?が…
調べてみましたが名前は判明しませんでした。
調べ方が悪いのかなぁ…

雨でたっぷりの潤いを得たコケを触ってみたり、ルーペで覗いてみたり。

巨岩を抱え込むように根を伸ばした古木の根周りは、生えては枯れを繰り返したふかふかのコケの層に覆われています。

そして、そこには新たな生命が。
可愛らしいですね。

岩上のコケと地衣類を観察&撮影。

朔に出来た小さな雫も可愛らしいですね。

苔むした岩の間を縫うように歩いたり、岩穴をくぐったりと冒険気分も味わうことが出来る蓬莱境。

赤い実が音符のように並んだタケシマラン。
落ちそうで落ちない雫も綺麗です。

少し季節が遅れて進むのか、ノリウツギは今が花盛り。

蓬莱沼に着いた頃には霧も晴れ、雲の切れ間に青空が見え隠れしていました。
静まり返った沼の畔に立つと、周囲のオオシラビソを映し出す水鏡。

そんな沼を眺める皆さんを撮るつもりが記念撮影に。
皆さん、楽しそうで良かった。

下見の時より水位が下がった沼の畔にミズギクが咲き始めていました。

それでも多い水の中に、タチギボウシやサワギキョウが波に揺られてゆらゆらと。
まるでアクアリウムのようです。
漸く水面に顔を出すことが出来たタチギボウシは、やっと花を咲かせようとしていました。

その中をこちらに向かってくる黒い影。

正体は二ホンイモリでした。
畔の草むらの中にいっぱいいました。
可愛いぞ。

水面近くを飛び回るルリイトトンボたちにも出会えました。
ちょっと遠いなぁ…

今回は、イベント開始直前に雨が止んだおかげで潤いに満ちて生き生きとしたコケたちの様子をゆっくりと見る事が出来ました。
苔むした巨岩と古木の蓬莱境の中を歩くと、ひんやりと冷涼な空気に包まれて、その雰囲気からか何だか不思議な空間に引き込まれていくような気分にもなります。
もっと時間をかけて歩いてみたい場所です。
蓬莱沼は少し水位が高めでしたが、生き物たちの宝庫。
オオルリボシヤンマやモリアオガエルには出会うことが出来ませんでしたが、町の喧騒を離れて静かな空間に身を置いて小さくても美しいコケや植物、生き物たちに触れ合うことが出来る素敵な場所だと再認識しました。

工藤