4月29日いよいよゴールデンウィークがスタートとなりましたが、朝から空模様が怪しげ。
それでも、里山に咲く春の妖精たちに会いたくて、「カタクリ満開 春の妖精たちを探そう」を開催しました。
場所は八幡平の入り口、志張温泉元湯さんのふれあい散策路。

先ずは、国道341号線上のこのゲートに集合。
どんな光景が待っているのでしょうか。

志張温泉元湯さんまで移動して、早速ニリンソウを見付けました。
まだ咲き始めの白く可愛らしい花がお出迎えです。

しゃがみ込んで撮っているのはエンレイソウ。

拾ったクルミの殻は、リスとネズミが食事をした跡。
リスは殻を二つに割って中の実を食べますが、ネズミは横に穴を開けて食べます。

木々の芽吹きも開花も進む春の里山。
優しい緑の葉をふんわりと開きかけのハウチワカエデが、赤く小さな花を風に揺らしています。

足元に見付けたのはイタヤカエデの花。
鮮やかな黄色の花です。

クロモジは咲き始め、オオカメノキは装飾花が今にも開きそうな勢い。
カツラは、まだ小さいですがハートの葉を展開しています。
八幡平ビジターセンターのある大沼付近とは違い、里山の春の進捗は早いですね。
樹種も豊富なのが良いです。

房状に連なる小さな花はキブシの花。
雌雄異株で、小さな花を覗いてみると、雌花は雌しべが発達していて、雄花は雄しべが発達しているのが良くわかります。

これを目当てに来たのですが…
曇り空の下ではしっかりと花開けず残念ですが、林床には沢山のカタクリの淡い紫色が見られます。
春の妖精たちも、たまにはお休みが必要みたいです。

ブナの新緑は、目に優しい柔らかな淡い緑色。

何を撮っているのかな?
地面に落ちたブナの新芽は雄花が咲いて、雌花も咲きかけています。
落ち葉の上が少し黄色く粉っぽいのは、雄花がこぼした花粉のせいです。

キクザキイチゲも少し俯き加減で春の陽差しを待っています。

トチの木の芽吹きが進み、葉が展開しかけています。

ブナの芽鱗が散らばる残雪の上に、サワグルミの実やヤマブドウの実。

雪が消えた場所にはフキノトウ。
雄花と雌花が並んで咲いていましたが、この微妙な距離感が何とも言えない…

ブナの新緑と見頃を迎えたオオヤマザクラが綺麗で、心が癒されます。
ポツポツと雨が降ってきましたが、陽差しが眩しい時よりも、このくらいの方が色合いが優しく見えるところが良いと思います。

雪解けの水が勢いよく流れる川原に降りてみます。

川の畔に立つブナで、沢山の花と展開し始めた葉の様子を観察。
今年は、どれだけ実を着けてくれるかな。

砂の上に残されたニホンカモシカの足跡を発見。

川原の石を拾って、遥か遠い昔、日本列島の形成から八幡平の成り立ちまで思いを馳せたり…
ちょっとオーバーかもしれませんが、この辺りが海の底だった時代の物だったり、火山活動の噴出物だったりと色々な石が見られます。

散策路に戻って見つけたジャゴケをゴシゴシ擦って指を嗅いで見ると、ミカンに似た香りが。

小雨のぱらつく中、花を開かせてくれた春の妖精たち。
ちょっと雫を纏っているところも可愛らしいです。

時々寄木。
以前、太いフジが絡んでいたカエデ捻じれたように成長していました。

少しお昼を押してしまいましたが、志張温泉元湯さんのご厚意で館内をお借りして昼食をとって解散となりました。

今回のイベントは、少々お天気が芳しくありませんでしたが、それでも新緑や花々を楽しむ事が出来ました。
周辺は春紅葉、そして青紅葉へと変化していき、様々な花も見られるようになっていくでしょう。
この先の展開が楽しみになる里山の一日でした。

     くどう