4月22日、雨上がりの空の下、29日開催の「カタクリ満開 春の妖精たちを探そう」の下見に行ってきました。
開催場所となる志張温泉元湯さんの「ふれあい散策路」は、サクサク歩くと1時間もかからずに周れてしまうのですが、4時間もかけて色々と観察しながら歩く贅沢なイベントです。

八幡平ビジターセンターのある大沼よりも標高が500mほど低い志張温泉元湯付近、沢沿いという事もあってか残雪がまだまだ残されています。

とは言え、やはり標高が低い分季節の移ろいは早く、ハウチワカエデ、クロモジ、トチ、オオカメノキと、木々が芽吹き始めています。

春、いち早く花を咲かせるマルバマンサクは見頃を迎え、大きなカツラも蕾が膨らんで枝が赤く見え始めています。

雪解けの早い場所にはフキノトウ。
一枚目が雄花、二枚目が雌花です

この時期は残雪の上を見ながら歩くのも楽しい季節です。
ネズミが齧ったクルミの殻に、鳥のフンとして排泄されたヤドリギの実。
生き物の痕跡も残されています。

フジの種にハンノキの球果、サワグルミの実にヤマブドウ。
樹種が豊富なので落ちている物も色々。
残雪の上は宝物でいっぱいです。

雪によって漂白されたブナの落ち葉と、開花しきる前に落ちてしまったブナの雄花。
雪には漂白作用があるので、真っ白を通り越して透けて見えるくらいになる事も。
雄花はどうして落ちてしまったのでしょうか。
花を着けすぎたための生理落下でしょうか。
風の悪戯?鳥の悪戯?
それにしても新芽の緑が鮮やかです。

オオヤマザクラの蕾が膨らんでいます。
イベント当日は、綺麗な花を見せてくれるかな?

川原に降りて見ると、雪解け水の入った川が轟々と勢いよく流れています。

散策路を歩いている間、ずっとミソサザイの綺麗で大きな囀りが聞こえていたので、ジッと目を凝らして探してみましたが…
声はすれども姿は見えず、この中から僅か体長11cmの褐色の鳥を見つける事は出来ませんでした。
探している間も囀り続けていたのですが、残念です。
イベント当日こそは見つけたいと思います。

そして、お待ちかねのカタクリ。
曇り空の下でしたが、沢山咲いていましたよ。

キクザキイチゲにエンレイソウ。
美しいスプリングエフェメラル(春の妖精たち)の競演です。

今回の下見をして、イベント当日は木々の芽吹きも草花たちも十分に楽しめる事が予想されます。
春の妖精たちの美しく可憐な姿を堪能出来ればと思っています。
残雪の上、木々の花、草花と上を見たり下を見たりと忙しい?イベントになりそうな予感です。
野鳥も多いので、会える事に期待です。

     くどう