4月16日(土)、八幡平ビジターセンター周辺は曇り空が広がり、辺りは薄い霧と霧氷に包まれる中、24日(日)開催の「早春スノーシュー ヒミツの巨木と沼巡り」の下見に行ってきました。

ひんやりとした空気の中、芽吹きに向けて大きく膨らんできたブナの冬芽も真っ白な霧氷を着飾る姿を見ながら森へと足を運び入れます。

固く締まった雪面に先行者の痕跡が残されています。
ヤマドリの足跡です。

前日は雨も降ったこともあって、ナナカマドは枝に残された実も冬芽もガラス細工のような氷に覆われていました。

こちらはニホンカモシカの足跡。
いつも、痕跡は見つけても姿を見る事が難しいのですが、今日は姿を現してくれるのでしょうか。
会いたいな…

曇り空の下ですが、美しい霧氷に目が奪われてしまい、ついつい足を止めてしまいがちになります。

大きな樹洞のあるトチの木。
幹に爪痕が増えていたので、ツキノワグマが冬籠りしていないかと気になり、中を覗きましたが空っぽでした。
もしかして、すでに目覚めて出て行ったのかもしれません。
早い者は、この時期には活動を開始するので、会えないものかと期待に胸が膨らみます。
あと、お腹周りも膨らんでいる、くどーさんでした。

日が差すと、霧氷を纏った木々が一層輝きを放ちます。
いつの間にか青空も広がり、里の桜もまだですが、一足早い?お花見気分です。

よんご沼近くの噴気地帯では、今日も元気に噴気が上がっています。
年々、僅かづつですが範囲が広がっているような気がします。

よんご沼。
去年は水面が大きく開けていましたが、今年は雪と氷に覆われています。
毎年同じではないのが面白いところ。
僅かに見える水面は、日差しを受けて蒼く見えていました。

四合五尺沼を見下ろせる高台へ向かうと、日差しに解け始めた霧氷が透き通り、パラパラと音をたてながらも花びらが散るように落ちてきます。
眼下に見える四合五尺沼も、少しだけ蒼い水面を厚い雪と氷の中に覗かせています。

雪の上にニホンカモシカの糞を見つけました。
未だ姿は確認出来ず…
やはり彼らに会うことは出来ないのでしょうか。

長沼は、まだ広い雪面のまま。
畔に建つ東屋は、ようやく姿を現し始めたところです。
東屋の前から見る景色は、オオシラビソやキタゴヨウの濃い緑と少し枝先が赤っぽく見える白いダケカンバが何とも言えない光景を見せてくれます。

行く先に待ち構えるシナの巨木。
株立ちのその中央にカメラを据えて撮ってみました。
空に向かって枝を大きく広げるように伸びる姿は圧巻です。

モモンガの食痕と糞を見つけました。
雪の上でなければ見つけることが難しい、小さなフィールドサインです。

ツボ沼は、雪解けの縁取りが出来始めていました。
雪が解けていく時、高い場所から低い方へと動きながら解けていくのですが、雪面に筋が残り雪の動きが判るのが面白いです。

日差しは暑いくらいですが、気温が低いので午後になっても高い場所に残る霧氷に見送られながら、ブナの森をビジターセンターへと帰路に付きます。

今回の下見は霧氷に彩られた森の中でとなり、思いがけずに美しい光景を目にすることが出来ました。
お天気が良くなると小鳥たちも賑やかに活動しますし、イベント当日のそれぞれの沼の様子も楽しみです。
残雪の森の中、どんな光景を見られるでしょうか。

     くどう