2月6日(日)前日からの雪が降り続ける大沼周辺、少し風がありましたが雪が弱まりつつある中で、環境省補助金事業(国立・国定公園への誘客事業)「スノーハイクで冬山さんぽ」を開催しました。
先ずは広い雪原と化した大沼湿原へと足を踏み入れ、雪原にぽつんと立つヤチダモの木の下へ。
長さ130㎝ほどのショートスキー、板を滑らせるように進むと一歩の幅が大きくなって、スノーシューより楽に歩けます。
いつもは寂しそうに立っているヤチダモが、参加者の皆さんが訪れてくれた事で、なんだか嬉しそうにしているように見えます。
わずかに水面の見える大沼の畔を一列で。
雪が降り続けていますが、決して地吹雪体験ツアーなどではありません。
大沼の沼尻へ。
この時期は、周囲の森からの沼への水の供給量が最も少なくなる時期です。
それにしても、今シーズンは水が少なすぎる気がしますが…
それでも、水面に映る木々や、沼に沈んであった木々などに積もった雪の様子が味わい深いと思いませんか?
雪原の縁を囲むオオシラビソの間をくぐって森の中へ。
スノーハイクは、スノーシューより浮力があるので、ふかふかの深雪でもあまり沈まずに歩けます。
とは言っても膝丈近くまで、時には腿から腰といった雪の深い場所もありました。
川に沿って歩くと、頭上のブナたちの枝に積もる雪の様子が面白いです。
大沼の西側にある尾根の端に立つキタゴヨウの巨木にご挨拶。
スノーハイクは板の裏に滑り止めが付いているので、斜面を登るのも楽ちん⁉
雪のある時期にしか尋ねることが出来ないので、見に行かない訳にはいきません。
枝葉に雪を纏いながらもこちらを見下ろす、風格ある堂々とした姿に威厳さえも感じずにはいられません。
空がぼんやりと明るくなってきました。
当然の事ながらスキーなので、斜面をゆるゆる滑り降りる事もOK。
静かな森の中が、急に賑やかになります。
気が付けば雪が弱まりチラつく程度に、太陽も眩しく輝きだしました。
冬の太陽は有難みを実感します。
視線を送る先には…
広がり始めた青空と、真っ白な雪で着飾って日差しに輝くオオシラビソたちの姿。
なんとも美しい、ため息の出るような光景です。
さてさて沼尻まで戻った一行は、通称「沼尻半島」に登って記念撮影…
ごめんなさい。
せっかくの写真でしたが、めっちゃレンズが曇ってました…
いやっ、すみません!
ホント、申し訳ないっ‼
広い雪原に出たところでフリーウォーク。
思い思いに、まっさらの新雪の上を歩いてもらいます。
これが気持ち良いのですよ、ちょっと疲れるけど。
そして、雪を巻き上げながら吹いてくる突然の風に果敢に立ち向かう人たち。
なんとも勇ましい光景です。
モノトーンの世界に鮮やかに色を挿すヤドリギ&アカミノヤドリギと、雪原の傍らで静かに佇むツブ沼を見て後生掛大沼キャンプ場へ向かいます。
キャンプ場で昼食を食べている間に再び雪が降り始めましたが、昼食後にキャンプ場内の緩やかな斜面で遊んでみました。
なんとまあ、面白いように転ぶこと。
いや、ゲレンデスキーとは少し扱い方が違うので転んで慣れるしかないのですが…
さっきの森の中の斜面よりも激しい気がするのは私だけでしょうか。
真偽の程は、参加者の皆さん自身のみが知るところです。
そんな私たちを横目に餌探しに勤しむアカゲラさん。
滑って転んで雪と戯れた後は、雪に霞む雪原をゴールに向かいました。
今回のイベントは、スノーハイク経験が初めて、スキー経験も子供の頃以来という方々も多く参加され、スノーハイクの持ち味や特性、魅力を感じ取って頂けたのではないかと思います。
まっさらな新雪の中を歩く感覚、ふかふかの深雪の中で転んだりする感触は一度味わうと忘れられないもの。
美しい景色を見たり、雪と風に吹かれて冬の厳しさを味わったりして、自然との一体感を感じられたのではないでしょうか。
今後も、そんな風に楽しめるイベントが出来たらと思っています。
くどう