雪に閉ざされた後生掛噴気地帯をスノーシューで巡る!
ボコボコに沸き立つ大泥火山、大湯沼の湯けむり、独特の雪の造形「雪大福」など。眺めても楽しい、滑っても楽しい、転んでも楽しい・・・
後生掛温泉駐車場で、まずは準備体操。
”最初の難関”雪の壁の低いところに二連梯子をかけて、コースに入ります。
コースに入ると見慣れた景色が広がります。公衆トイレの屋根だけが見えていますが、積雪250㎝+ぐらいでしょうか。
歩きやすいところを選んで進んでいますが、スノーシュー履きで膝の±ぐらいは沈んでいます。
ラッセルの荒い息遣いが聞こえてきます。
眼下に見える地熱で雪のついていない歩道とオナメモトメ。
昔、傷ついた岩手の牛飼いの若者を献身的に看病したオナメ(妾)と、モトメ(本妻)は夫を探してこの地に辿り着き、仲睦まじく暮らす二人の姿を見て、地獄谷の湯ツボに身を投げた。それを知ったオナメも後を追い湯ツボに身を投げてしまった。若者は二人の後生をかけて弔った・・・
というオナメモトメ伝説が後生掛の起源として伝わっています。
こちらはミズナラの古木に生えたハクサンシャクナゲ。
どうしてここに生えたか、どうして生き続け、花を咲かせ続けることができるのか不思議に思います。ただし、花芽は毎年見ますが、咲いた花を見たことはないのです。なぜなら、雪が融けるとここは深い藪に覆われるからと言い訳まじりの解説中です。
またまた、見上げているのはコシアブラの枝に残るウサギの食痕。
どうしてこの位置に?の質問に、”ウサギたちが協力して登って食べた!”とロマンも感じるもっともな回答。
そんな光景を見たいものだと思いますが、本当の理由はもっと現実的なようです。
再び前進!スノーシューは快適。
登りがあれば下りも、コースの説明では緩やかな登り下りとか言っていましたが、これが緩やかな下りなのしょうね。
確かに緩い下りのようですが・・・
結局、これが自然の成り行き。カメラは冷静にこれを期待して待っていました。
期待に応えていただき、ありがとうございます。
大泥火山に向かう橋には2m+の積雪、トレースを外さないようにとの声がかかります。
何やら解説中、温泉について、卵の腐った匂いと表現することがありますが、匂いの正体とは火山性のガスなどと現実的なお話をしているようです。
大泥火山手前のピークで「雪大福」の景色を眺めています。
カモが二羽、私たちの気配に気づき飛び立ってしまいました。
今度は引き返して大湯沼に向かいます。足場のいいところで”フリーウォーク”の声がかかりましたが、どうしてどうして。果敢に踏み跡のない新雪に挑んだものの、表情はさわやかな笑顔と苦笑いをする人と。
緩い上り下り?を繰り返して、本日二つ目の目的地の大湯沼展望地に到着しました。
皆さんの後姿がどこやら、呆然と景色を眺めているように感じられます。
大湯沼展望地から夏道まで下って、夏道を戻ると言ってましたが、いったいどこに夏道があるのでしょう。
ここからはフレッシュな二班が先行し、ラッセルを担当してくれます。
緩やかな登りと下り、深雪ゆえ、独特な造形「雪大福」がそこかしこ。一見の価値ありとは思いましたが、ちょっと難儀もしました。実年齢はさておき、自分の表情は見えませんが周りの方たちは少年少女に戻ったような表情をしていました。
明日以降の筋肉痛が少し気になりますが、私もいい顔をしていたようです。
観光関係者向けのモニターツアーは先回の「スノーハイク」に続いての開催ですが、スノーハイクは滑ること自体が楽しかったが、スノーシューだと歩きながら、周りの景色を眺める余裕があるので、そこが楽しめたとの感想もいただきました。
寒くはあり、雪も深くて難儀、ということもありますが、はからずも童心に返った瞬間があったのは事実。冬も楽しいということに気づいていただければ幸いです。
ありがとうございました。
あべ