健脚向けのコース、ニッコウキスゲやたくさんの高山植物が咲き乱れる「大深湿原」は誰が言ったか”天空の花園”とも呼ばれています。何の何の違和感もなく納得できます。

まずはパークサービスセンターから気持ちの良い山並みを眺めながら畚岳の登り口へ。

少し蒸し暑い。休憩は日陰を選んで、できれば風の通るところを選んで・・・

さあ!裏岩手縦走路、”天空の花園行き”スタートです。

目指すはなだらかな山並みのずっと向こう。

延々と続く樹海。強い風のせいで大きくなれない木たち。

振り返ると畚岳がもうあんなところに。

この沼に名前はありませんが、かつてハイマツが生えていて、白く枯れた枝がホネを想像させると誰かさんが言いました。

今年は空梅雨で雨が少なかったのですが、この奥山の石沼も誰かが詮を抜いたように水がありません。

皆さんは嘘のような本当のような解説を聞き、信じたり疑ったり。でも表情はまだ元気元気。

疲れた体を癒してくれる眺望と花々。歩道脇のハクサンシャジンがお出迎え。

嶮岨森が見えてきました。いったん下ってまた登り返す、ちょっときついところ。

少し疲れてしまいました。でも、この景色と花たちに励まされているようです。

さあ、ここを登り切ったら嶮岨森です。

嶮岨森の山頂からは、遥か畚岳の頭だけ見えていました。

苦しい登りでは無口になってしまいましたが、ここからの眺めは最高!と自然に笑顔になってしまいます。

目指す方向には大深山荘の屋根も見え、元気になるはずです。

さて、ようやくたどり着いた大深山荘で昼食を済ませ、本日の本命”天空の花園”大深湿原に出発です。

ニッコウキスゲもお目当てであったのですが、この花はすでに終盤。それでも、キンコウカは見頃、トキソウもいます。

少し疲れましたが、この景色に何度も元気をもらいました。来てよかった、ここに来れてよかったという顔が手を振っています。

次から次へと花々の見ごろは移り、”天空の花園”は今、キンコウカがとってもいい感じ。

振り返って来し方を。何を思っておられるのでしょう。

この景色の中に自分がいることに満足。この感動を共有できる皆さんと一緒ということで喜びは倍増でしょうか。そして少しだけ、今年もここに来れた自分を褒めてあげているのでしょうか。かつて、天国の花園と言った方もおられましたが、なんだかそれもわかるような気がしています。

花たちにかこまれながらも長かったこの縦走路もそろそろ終盤。満足感もありますが、名残惜しくもあると背中が語っているようです。

それぞれの思いを背に、目指すは松川温泉。

登りもきつい、下りもまたきつい。できれば平らなところだけだといいね、とは道々の皆さんの会話。なぜ、こんなにきつい思いをしてまで来るのでしょうね。人生に例えてみたり、ということもあるでしょうが、”花たちに逢いに”とはキザ、”高原の風に吹かれに”もちょっとキザ。目的はさまざまでも、あそこに行きたいと思う気持ちは同じですよね。

お疲れさまでした。

   あべ