7月16日、朝から日射しが暑く降り注ぐ中、25日に開催する「圧巻のニッコウキスゲ 裏岩手縦走路トレッキング」の下見に行ってきました。

強い日射しに照らされる畚岳。
登山口でホシガラスに見送られ、モンキチョウの道先案内でスタートです。

オオシラビソの新芽の色が鮮やかです。

頭に雲の帽子を被った岩手山。
裾野には雲海が広がっていました。

オオシラビソのてっぺんで、ウグイスが声高らかに歌い続けています。

裏畚。
丸みを帯びた可愛らしい姿。
周囲の白化したオオシラビソも良い感じです。

「こっちだよ」と言っているかのように、しばらくの間ウソが前を歩いてくれました。
ホントにそっち? ウソじゃないよね?
ウソだけに・・・
失礼しましたっ!


諸檜岳到着。

前諸檜に向かって伸びる道。
こんな景色を見ていると、どこまでも歩いて行けそうな気分になります。
しかし暑い・・・
日射しを遮る物がないのが稜線歩きの難点です。

小さな花が2輪並んで咲くリンネソウ。

大変だけど、こんな雄大な景色を見ながら歩けるのが稜線歩きの良いところ。

クルマユリが風にゆらゆら。

どうやら水不足の石沼。

と、隣の沼はちゃんと水があり、ミツガシワの葉が水面に映りこんでいます。
ハートがいっぱいです。

前諸檜到着。

まだまだ道のりは長いですが、時折吹く涼やかな風に吹かれながら眺める景色は最高です。

などと言っていると岩の上にビンズイを見つけました。
どこにいるのか、探してみて下さい。
景色や花も良いですが、生き物がいると山歩きは更に楽しいものです。

嶮岨森が道脇の灌木の間にちらりと見えました。

マルバシモツケにハクサンシャジン。

ここを登れば嶮岨森。
見上げれば、山の陰からモクモクと青空に沸き立つ雲。
額には滝のような汗・・・

不気味な?妖しい?
何とも言えない色合いのハチマンタイアザミ。

嶮岨森からの眺め。
森に影を落としながら流れる雲が、頭のすぐ上に覆い被さってくるようにも思えます。
雲の間から差し込む日射しが、水鏡の沼に周囲の緑と空を映し出していました。

大深山荘到着。
大深湿原に向かう前に一休みしましょう。

天空の花園、大深湿原。
ニッコウキスゲの本番はこれからのようです。
さて、ここからは湿原の花たちをご覧下さい。

コバイケイソウにウサギギク。
ニッコウキスゲにヨツバシオガマ。
モウセンゴケをバックにしてイワショウブ。

トキソウにチングルマの果穂、そして鮮やかな黄色のシナノキンバイ。
まさに花園、どれを見ても綺麗な花たちでいっぱいです。

淡い紫のムシトリスミレと、それとは対照的に鮮やかな濃いピンクのエゾツツジ。
良いなあ・・・
もう、それしか言葉が出ませんでした。

モミジカラマツの道を次の湿原へと向かいます。

そこには、旅の途中と思われるアサギマダラがコバイケイソウにとまって花の蜜を懸命に吸っていました。
こちらが近づいてもお構いなしです。
旅は長いので、しっかりとお腹を満たしていって下さい。

キンコウカも黄色の花を咲かせていました。

花たちを堪能して、木立の上で囀るビンズイに見送られながら松川温泉へと向かいます。

今回の下見は気温も湿度も高い中、日射しに晒されながらの行程となりました。
何度も首筋を流れる汗に、これは辛いな・・・と思いましたが、素晴らしい景色や花々、鳥たちに癒しをもらいながら歩いてきました。
そうしてたどり着いた湿原での花たち、最高です!
イベント当日は、水分補給と熱中症対策をして、稜線歩きならではの景色と湿原の花たちに逢いに行きましょう。

        くどう