4月22日、朝からすっきりとした青空が広がる麗らかな春の陽気の中、29日(木)に開催される「カタクリ満開 春の妖精たちを探そう」の下見に行ってきました。
普通に歩けば30分程度で歩けてしまう志張温泉散策路をお昼をはさみながら、たっぷり5時間かけて歩くこのイベントはゆっくりのんびりと春の訪れを実感できるゆる~いイベントです。
志張温泉元湯さんは谷あいにあるため、良く日の当たる場所とそうでない場所で植物の芽吹きや開花に差が生まれますが、その変化していく過程も見られる場所でもあります。
姿は見えませんが、たくさんの小鳥たちの囀りと、淡い緑色のフキノトウたちがお出迎えです。
芽吹き始めたハウチワカエデが林内に差し込む日差しに輝いています。
ビジターセンターのある大沼に比べて雪解けは早いものの、谷あいなので残雪があちらこちらに見えます。
トチノキは芽吹き始め、クロモジは蕾を膨らませています。
大きなカツラは小さな花を咲かせ始めています。
もうすぐ、遠くからも木が赤く目立つようになります。
キブシの花が風にプラプラ。
オオカメノキも花芽が少し膨らんできました。
ハウチワカエデは、日の当たる場所では花が咲いている木も。
紫がかった濃い赤の花から飛び出た黄色の雄しべが風に揺られて花粉を飛ばします。
マンサクは、細くちじれた花弁がすーっと伸び始めました。
残雪の上に小さなバナナのようなカツラの実の鞘が落ちていました。
サワグルミの種にツルアジサイの花殻。
残雪は宝物でいっぱいです。
どんなものが落ちているのか、それを見て歩くのも面白いものです。
日当たりの良い場所のヤマザクラの蕾。
イベント当日までに咲くと良いのだけど…
川原にも下りてみます。
川岸に立つブナの枝先にはまだ殻斗が残っていましたが、ちょっとだけ冬芽が大きくなっているようにも見えます。
辺りには、たくさんの殻斗と実が落ちていました。
雪解けの川の流れが砂に描く模様も様々で面白いものです。
そんな事を思いながら歩いていると、ツキノワグマが残した足跡が。
足跡だけかよ…
会いたいなぁ…
辺りを見回しながら待ってみましたが、待ち人?は現れてはくれませんでした。
残念…
再び林のほうへ向かうと、キクザキイチゲが日差しを受けて花開こうとしています。
何やら空中を漂うキラキラ。
蜘蛛の糸が風に吹かれてふわふわと飛んでいます。
蜘蛛は網を張る時に糸を出して風に飛ばし、今いる場所と糸が届いた先を起点に網を張っていきます。
あちらこちらにトチの実も落ちています。
いよいよ、お目当てのカタクリ。
只今、開花準備中です。
辺りにはたくさんのカタクリが顔を見せてくれていて、すでに花開いているものもありましたが、イベント当日も十分に楽しめそうです。
木漏れ日のスポットライトを浴びてエンレイソウも咲いています。
ニリンソウが花開くのは、もう少ししてからかな?
志張温泉元湯さんの目の前を流れる川では、大きな岩のそばで小さな小さなミソサザイが、大きな大きな声で愛を歌っていました。
その歌、お目当ての彼女に届くと良いね。
志張温泉元湯さんの周辺は、ビジターセンターのある大沼周辺とは少し違った植生を見ることができます。
里山に近い感じかもしれません。
短い距離ですが、じっくりと見て回ると様々な発見があるに違いありません。
そして、可憐な「春の妖精」たちが待ってくれています。
どんな光景が広がっているのか、イベント当日が楽しみですね。
くどう