3月17日、前日からの雨が雪に変わり風を伴うお天気の中、20日(土)に開催される「早春の栂森スノーシューハイキング」の下見に行ってきました。

後生掛付近は雪。
細かな雪で霞んで、景色は良く見えません。

ベコ谷地へと向かうブナ林も雪が降り続けています。

ブナの幹には叩きつけられた雪が張り付き、点在するオオシラビソの細かい葉の中に入り込んだ雪が凍り付いています。
風が強かった事が容易に想像できます。

冬の涙。
ブナの幹に着生したコケからは幾つもの氷柱が垂れ下がっていました。
暖かくなったり寒くなったりを繰り返す時期、もう少しだけ冬でいさせて…と季節が流す涙です。

ぶら下がるツルアジサイの花殻に雪が積もり、ブナの幹のコケの朔が張り付いた雪から顔を出し、未だに落ちることが出来ていないブナの葉が風になびきます。

ベコ谷地に到着。
オオシラビソの影で、雪がやんで日差しがある事に気付くくどーさん…

日差しはほんの一瞬。
ちょっと休憩している間に、今歩いたトレースを風が消してしまおうとしています。
目指す栂森の姿は見えず…

ベコ谷地を横断して再び林の中へと入って行きますが、少し新雪が深くなったような気がします。
って、確実に深くなっている…

風を受けない場所は、ブナもオオシラビソも枝先まで雪化粧。

歩を進めるにつれ、辺りの様子が変化していきます。
次第にブナの割合が減っていき、すっかりオオシラビソばかりになりました。
と、視線を感じたくどーさん。
誰かに見られています…

でたっ!
モンスターです。
こちらをジッと見つめています。
先行者が書いた悪戯でしたー。

強い風に勢いよく流される雲。
時折、太陽が顔を出したり隠れたりの繰り返しです。

オオシラビソの林を強風が雪煙を巻き上げながら吹き抜けていきます。
帰りてー!
普段ならそう思うところですが、この日のくどーさんはちょっと違いました。
中々の荒天に、少々テンション上がり気味♡

日が差した瞬間に、真っ白な雪面にオオシラビソの影が映し出されたり綺麗な姿も見られます。

凍り付く姿も…

いよいよ栂森の尾根へと取り付きます。
ここからは体を揺さぶられるような強風が待ち受けていました。

雪に霞ながらも秋田八幡平スキー場や、先程通ってきたベコ谷地を見ることが出来ました。

栂森山頂付近は更に風が強くなり、強風?暴風?烈風?とにかく強い風が休みなく吹き荒れています。
ゴーゴーと吹き荒れる風に飛ばされてしまいそうな勢い。
体が風に煽られてグラグラと揺れます。
面白い…
もう、テンション爆上がりです。
暗い空の下、秋田焼山も霞っぱなしです。
避難小屋に先行して登ったスキーヤーの姿が。

オオシラビソや低木たちに、強固なエビの尻尾がで出来ていました。

暗い雪雲にぽっかりと空いた空間に青空が。

白ではなく灰色の世界が広がります。

それでも一瞬の日差しに輝く風紋や後生掛自然研究路の姿を確認。

強風吹きすさむ毛せん峠。
空を覆う雲が、今にものしかかってきそうです。

積雪は少ないものの、風に晒られて凍てつく寒さに耐える植物たちの様子が見られます。
ガンコウランは、雪上に散りばめられた星屑のようです。

凍り付いたオオシラビソたちの間を抜けて国見台へ。

またまた一瞬の日差しに、ダケカンバたちの影が国見台の真っ白な斜面に映り込みます。

白く凍り付いたオオシラビソやダケカンバを見ながら国見台へ。

山頂からは後生掛大湯沼がハッキリと?見えました。
激しく噴湯している場所から立ち昇る湯気も確認出来ます。

国見台を下りると、先程までとは打って変わって静寂が待っていました。
風の影響を受けない静かな世界です。

木々の間から望む八幡平方面。
あちらも風が吹き荒れているようで、雪に煙っています。

時折聞こえるカラ類の声を聞きながらブナ林を進みます。

ウサギの食痕。
鋭い前歯で木の皮をそぎ取った跡がしっかりと残されています。

大きなクマ棚。
この木は周囲にのブナよりも多く実を着けたのでしょうか。
かなり太い枝も含まれています。

良さげなテーブルを見つけたので、ちょっとコーヒータイム。
ペットボトル入りですが何か?
ちょっぴりシャーベット感を味わえる美味しいコーヒーでした。

後生掛自然研究路が見えました。
いつもとは違う方向から見る景色は新鮮ですね。

くどーさんたちの気配に気付いたのか、クマタカが飛び立ちました。
以前、他の場所で遭遇した事がありますが、久しぶりに会うことが出来ました。
思わぬ形で出会えた森の王者に、ちょっと興奮してしまいました。

紺屋地獄やオナメモトメの噴気も確認できます。

アスピーテラインが見えました。
間もなくゴール。
お疲れ様でした。

今回の下見は生憎のお天気となりましたが、その分、自然の美しさと厳しさを体感出来ました。
前日から雨が降り続いたので、まだ雨にならなかっただけ良しとしなければならない様なお天気でした。
長い行程の中で標高差で変化していく森の様子を見られたり、お天気が良ければ栂森、毛せん峠からの展望も楽しめます。
イベント当日が好天に恵まれることを願うばかりです。

       くどう