3月6日(土)深夜の雨が朝方に小雪に変わるという空模様でしたが、天候が回復していくという予報に期待を持って「大沼雪原を歩こう」を開催しました。

大沼は雪が止み始めましたが、まだ空が暗い状態です。

開会式と準備運動を済ませて少し春の気配を感じ始めさせながらも、まだまだ冬の装いを見せる大沼雪原に出発です。

ブナ林に入る手前で、薄氷に包まれながら落実せずに残っていたナナカマドの実を見付けました。
チョットしわしわだけど、お祭りの屋台で売られているりんご飴みたいです。
かなり大きさは小さいですけどね。

こちらのブナには、古いものから新しいものまで、沢山のツキノワグマの爪痕が残されていました。
ずーっとこの場所に立ち続け、多くのツキノワグマたちの食を支えてきたのでしょう。

鼈甲色に見えるキクラゲに、薄っすらと雪がつもっています。

キツツキの開けた穴を見て、木をつついてみる人。
木をつついた瞬間、貴女もキツツキ…

四方八方に大きく枝を広げ、空を独占したブナ。
いったい、どれほどの時間をこの場所で過ごしてきたのでしょう。

ブナの冬芽が、キラキラ輝く氷の粒を抱えています。

後生掛大沼キャンプ場の管理棟の大きな屋根に、薄っすらと積もった雪が綺麗な模様を作りだしています。

キャンプ場の中を横切って川の畔へ。
少し、川に沿って歩いてみましょう。

オオシラビソの下には、モモンガの食痕が残されていました。
相変わらずフードロスの多い奴らです。

昨夜は風も強かったのでしょうか、ドライフラワーになったツルアジサイも沢山落ちていました。
冬の観察対象の定番ですね。

冬の涙…
オオシラビソの木に引っ掛かっているツルアジサイに雪解けの雫が凍り付いています。
時には厳しい顔を、時には美しい姿を見せてくれた冬が、もう直ぐやって来る春を前に静かに流したお別れの涙です。

若いダケカンバたちは、重い雪に首を垂れたまま雪に埋まりながらも厳しい冬を耐え抜きます。
このところ、急激に雪解けが進んだおかげで雪に埋もれていた彼らの姿が露わになりました。

小さいながらも、冬も凍り付かないツブ沼。
今日も静かな水面に木々の影を映し出しています。
周囲のブナ林からの伏流水がここに集まります。

沼の岸辺に残されたテンの足跡。
沼で羽を休めるカモを狙いに来たのでしょうか。

雪の上に樹上から落ちたアカミヤドリギ。
オレンジ色の実が少しだけ残っています。
厳冬期に、鳥たちの命を繋ぐ大切な食糧になります。

しかし、このヤドリギたちの実は鳥の体内では殆ど消化されず、ネバネバの粘液で包まれた果肉と種がそのまま排泄されます。
こうして木に付着して発芽し、寄生して生きていきます。

木々が葉を落としてしまう冬にも青々としている事から、生命の象徴、子孫繁栄の象徴とされている地域もあるそうです。

普段は高い木の上。
せっかくなので、よーく観察して下さい。

広い雪原に出ました。

雪が安定している場所は、どこを歩いても大丈夫!
フリーウォーク、スタートです!

このまま歩いて何処までも…
そんな衝動に駆られるのは、くどーさんだけでしょうか。

大沼の畔に到着。
水辺は雪解けが早く進んでいます。

静かな水面に映る豚バラ…

水際は大きくクラックが走っているので要注意です。

水辺の景色を見ながら歩きましょう。

いつの間にか太陽が顔を出し、覗き込んだ水面に映り込んでいました。

木々の根開けが始まっています。
まだ積雪は2m以上。
今年は、いつごろまで雪が残るのでしょうか。

穴に落ちた訳では無いのですが転んだ人。
お約束通りに写真を撮ってから助けに向かおうとしたら、一人で立ち上がっていました。

空が青くなると、急に春らしさが漂い始めます。

大沼の春一番。
オノエヤナギ…
確か…
そうだったはず…
すみませんっ!
勉強しておきます!

間もなくゴール。
終わる頃にお天気が良くなる…
よくある事です。
まあ、何でも、大体、そんなものです。

今回は2時間という短い時間でしたが、雪のある時期でなければ見られないものを見たり、少し春めいた雰囲気を感じ取って頂けたのではないかと思っています。
季節は冬の寒さと春の麗らかさを繰り返しながら、少しづつですが着実に春に向かって進んでいます。
今年の冬は…と振り返りながらも、雪解けの花の季節が待ち遠しくなるような2時間でした。
雪の八幡平、まだまだ楽しめます!

        くどう