3月3日(水)朝方の雪が止み、青空が覗き始めて気温は-3℃程でしたが、そんな事を感じさせない麗らかなお天気の中、6日(土)に開催される「大沼雪原を歩こう」の下見に行ってきました。

雪に覆われた大沼雪原は、グリーンシーズンよりも広々と感じます。
真っ白な雪原に足を踏み入れてみましょう。

後生掛大沼キャンプ場の誘導路のブナ林へ向かうと、雲の間に見え隠れする日差しが真っ白な雪面に木々の影を伸ばします。

せっかく歩くんだから、色々と見て歩かないと勿体ない。
ブナ林をあちこち見ながら進むと、何やらキラキラ輝く物体を発見。
カラカラに乾燥したキクラゲが、日に透かされて鼈甲色に輝いています。

ブナの幹には地衣類が沢山。
ぷつぷつと針で刺したように穴が開いているのはセンシゴケ。

モジゴケはブナからのメッセージ。
どうやら、我々を歓迎してくれているような事が書かれているようです。
と、適当に言ってみました…

ツルアジサイが這う、折れて朽ちたブナにキツツキの開けた穴が。
今は誰もいませんが、これを他の小鳥や小動物たちが利用することもあります。

今日は寒さは感じないものの、実際の気温は-3℃程。
ブナの冬芽に、雪解けの雫が凍り付いています。
よーく覗いて見ると、周囲の景色が逆さに映り込んでいました。

ブナたちの間から望む大沼雪原。

ちょっと寄り道をした後生掛け大沼キャンプ場の管理棟の軒先には小さなつららが並んでいました。

今シーズンは雪がたっぷりと降りましたが、ブナの根開けが始まっていました。
もう3月…
何となくですが、納得です。
山の春は、遠いようでも確実に近づいています。

川沿いに出ました。
岸の雪解けが進んでいるようです。

沢山のつららは、山に春が近づいてる証。

と、思いきや、オオシラビソの細かな葉の間には雪が入り込んでまだまだ冬の装い。
寒くなって雪が降ったり、暖かくなって解けたりを繰り返しながら季節は移ろっていきます。
んー…
何だか、こういう生き物のようです。

足元に散らばるオオシラビソの小枝。
モモンガの食事の跡です。
食べ残しが多いモモンガ。
結構、贅沢な食べ方をしますね。

幹にはツキノワグマの爪痕も残されていました。

ツブ沼。
こちらも雪解けが進んでいます。
岸には重い雪に押しつぶされた低木たちが、早く解放されたいと春を待ち望んでいます。

岸辺の水面に冬の日差しが眩しく映ります。

雪の上にこんもりとヤドリギが落ちていました。

木に着いているものも実が殆ど残っていません。
ツグミなどの鳥たちが食べたのでしょう。

周囲の木の枝に、フンとして排泄された種が残っていました。

広い雪原は、日の光を反射して眩しい程。

木道の橋が顔を出してきていました。
雪は水面や地面に接する部分から、えぐれるように解けていきます。
一度解け始めた場所から、風が更に解かしていきます。

水面上に伸びたレンゲツツジの枝が、滴る雪解け水によって氷の中に閉じ込められています。
自然が創り出す芸術です。

静かな水面に映るレンゲツツジの枝の影と雪壁と青空。
良い景色です。

大沼の上は真っ平。
雪は沢山降ったものの、氷の状態が中々安定せず、今シーズンも沼の上を渡る事は叶いませんでした…

沼の縁には、新雪に隠れたクラックが…
危ないやつです。

薄く張った氷の上に薄っすらと降った雪が日差しに融け始めて地図のような模様を描いています。
思わず近寄って見たくなりましたが、沼に落ちるのは嫌なので望遠を目いっぱい使って撮影するだけにしておいてあげました。

豚バラのように層になった雪と青空と白い雲…
春の光景です。
豚バラってー!

薄氷の上に、風の置き土産。
風の通った跡が綺麗に残されています。

ツルアジサイのドライフラワーが雪面に影を落としていました。

沼の岸に立つヤナギが、早くも花を咲かせようとしていました。
春です…

一部、既に湿原が姿を現している場所が…

近づいて見ると、気の早いミズバショウが芽を出し、雪と寒さに霜焼け状態…
もう少し我慢して、暖かくなってから綺麗な姿を見せて欲しかったな。

今回は、お天気にも恵まれて、何処となく「大沼の春を探そう」みたいな雰囲気が漂う中での下見となりました。
まだまだ雪はタップリとありますが、春と冬を行ったり来たりしながら、季節は着実に春に向かっています。
イベント当日は、どんな様子が見られるのでしょう。
春に向かっている様子か、はたまた冬に逆戻りするような様子か…
楽しみですね。

      くどう