茶臼岳の巡視も3回目になりました。天気は今日も厳しいようで、予報では20mほどの強風とのことでした。体感温度は-30℃近い、か・・・

さすがにこんな日は山に登る人はいないようで、御在所の登山口には大型車両が止まっていました。期待はしていませんが出発地の秋田県側、鹿角は晴れていたのです。

本日もキャットを利用して2時間ほどの時間を短縮。

強い風で雪が吹き上げられ、視界不良の連続。

「恵比須森」通過。

それでも、時折風が弱くなると面白いものが見えたりします。”スノーバード”

オオシラビソの朽ち木にとまった”雪鳥”は、時々その小さな羽をパタパタと羽ばたかせますが、巨体は浮きません。

風の通り道。今日もウネの連続か~

風が強くて雪の積もる暇がないのか、寒々と見えます。

雪で覆われたコメツガ塊。全て雪布団で覆われたら寒さ知らず、隙間風が吹く中で凍えながら”耐えている”と見えませんか。

風がやんだら、なんと青空。

でも、すぐにまた。茶臼岳のシルエットが少しだけ見えました。間もなく小屋が見えるはずです。

下界の天気は晴れなのでしょうか。強風の中、こんな景色もいいなとゴーグル、フードの完全装備をしながらチラリと思ったりします。”茶臼に吹く春風”

春風に見舞われながらも茶臼山荘に到着。もちろん本日も貸し切り。

例により、小屋の冬期入り口は吹き溜まりで半分隠れていました。この天気では今日も黒谷地湿原には行けそうにありません。実は登りの途中、ここで戻ることは決めていたのです。

昼食を摂っても風はやむ気配もなく、ツリーホールに気をつけながら戻っているのですが、安堵感からなのでしょうか、身を丸めて雪と風に耐えているコメツガが目に止まってしまいます。

何とか庭園にあるような、名前でも付きそうな立派なコメツガ。風雪に耐えて!と言ったら「当然ダベ、今年はまんだ、大したごどね~」といわれそう。

果実はとっくに食べられてしまったナナカマド。モノトーンの世界の中でこの黄色が新鮮に映ります。

再びゴ~と風の音。またまた白い景色。

吹いてふいて、青空少し。それでも景色に春の気配を少々。目指す御在所の登山口が見えてきました。

さっきまでの強風はどこへ行ったのやら。スノーモービルの乗り入れ口と思われるところに取り付けた規制看板の確認をして本日の巡視は終了です。

スキーのトラブルとシールのトラブルに見舞われ、ちょっと悔しく、大変な思いをした本日の巡視です。今年の天気は、茶臼でも八幡平でも微笑んでもらえていないと感じます。強風を”春風”と豪語して、コメツガやオオシラビソに”けねぇもだな”と笑われないようにしなくては。

次回が晴天であれば、アスピーテラインの春山除雪の重機のエンジン音が聞こえるかもしれません。この次こそは晴天を!

   あべ